(※写真はイメージです/PIXTA)

将来的に自身の財産を家族に相続させる場合、「少しでも多く手元に残るようにしてあげたい」と多くの方が考えるでしょう。高齢になると認知症などを患って判断力が低下するリスクが高まるので、なるべく元気で健康なうちに財産移転を計画的に進めておきたいところです。では日本の税制において、節税対策を踏まえた有効な財産移転を行うためにはどんな準備が必要でしょうか。本記事では、奥田周年氏の著書『新版 親が認知症と思ったら できる できない 相続』(ビジネス教育出版社)より、相続でより多くの財産を残すための、贈与税と相続税の基本を紹介します。

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家族や社会のための税制特例の活用

ご自身から将来的な相続をするご家族の方へ向けて、財産を移転していく場合、どのような方法を考えることができるのでしょうか。税制の考え方について、贈与税と相続税を中心に紹介します。
 

贈与税と相続税

ご自身が元気なうちにご家族へ財産を引き継ぐ場合は、引き継いだ人に贈与税が発生します。一方で、ご自身の死後に財産を引き継ぐ場合は、相続税が発生します。

1 贈与税の特例を活用する
贈与税は、もらった財産の金額に応じて贈与税額を計算しますが、その計算方法は、暦年課税制度と相続時精算課税制度の2種類があり、それぞれの特徴があります。

また、贈与税の特例の一つとして、教育資金贈与信託や結婚・子育て資金支援信託の贈与があります。教育資金や結婚資金、子育て資金を援助する場合、必要な都度、資金を渡して、消費しているときは、贈与税はかかりません。

ただし、それぞれの資金を一括してまとまった資金を贈与すると、たとえ、教育資金などのための資金であっても贈与税がかかります。この特例は、一括して資金を贈与しても、教育資金や結婚・子育て資金以外の用途として使うことができないため、贈与税が非課税となります。

2 贈与税と相続税の税率差を活用する
贈与税の税率は10%~55%、相続税の税率も10%~55%です。

一見すると、税率は同じようにみえますが、贈与税は、もらった財産の金額に応じて個別に計算することに対し、相続税は、相続財産の総額に対して計算するため、贈与税のほうが、贈与財産の金額を変えやすいので、税負担の調整が可能になります。
 

 

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次ページ相続の長期的な節税対策に活用したい「暦年課税制度」

※本連載は、奥田周年氏の著書『新版 親が認知症と思ったら できる できない 相続』(ビジネス教育出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

新版 親が認知症と思ったら できる できない 相続

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奥田 周年

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