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収入は300万円台、自宅は郊外のアパート
ごく普通の、50代のサラリーマン男性。社会人として働き、平凡な日常を送っているように見える彼が胸に抱えるのは「この先、だれにも頼ることができない」という不安でした。
「日常はなんとか回っています。1年先、2年先の自分は想像できます。ですが、60歳を過ぎた自分の人生の先が、サッパリイメージできないんです。不安しかない」
55歳の田中博司さん(仮名)は、都内の中小企業に勤務するサラリーマンです。大学受験のときに1年浪人し、入学してから1年留年したため、卒業のタイミングは不況と重なり、かなりの就職難に。数年にわたり複数の企業で非正規で働き、正社員として採用されたのは30代半ばになってからでした。
「とはいえ、収入はずっと300万円台。郊外の築古アパートに暮らしています。勤務先ではいま係長の肩書きですが、別に部下がいるわけでもなく、入社したときと同じ仕事を繰り返しています」
田中さんは独身で、仕事帰りは自宅近くのコンビニでお酒を買い、スマホを見ながら寝落ちするのが常態化しています。特別な趣味もありません。
「新卒の正社員で就職できなかった引け目から、大学時代の友人とはずっと疎遠です。高校時代の友人とは没交渉。会社の同僚とも飲みに行くようなつきあいはありません」
田中さんの毎日は、淡々と、しかしそれなりの速さで過ぎていきます。
