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本記事のポイント
・この先の株価上昇を阻む重大リスクは「AI不況」
・AIが人間の仕事を奪いはじめている
・AI不況への処方箋
この先の株価上昇を阻む重大リスクは「AI不況」
株価は上がるようにできているので、日経平均が5万円になろうと6万円になろうとまったく驚く話ではない。先日はテレビで「将来的には10万円」と述べてきた。「どのくらいで10万円になるのですか」と問われたので、メインシナリオは10年後とした。その根拠は、7%の複利で10年運用すると元本が2倍になるからである。5万円をスタートに7%複利・10年で倍の10万円というわけだ。
この7%という数字がミソである。PERの長期平均は15倍で、益回りにすれば約7%。益回りというのは投資家の要求リターン(=資本コスト)であり、期待リターンの代理変数ともみなせる。また、日本の上場企業のROEは足元でようやく10%に乗せそうだ。2桁のROEが今後定着するとして、配当性向3割とすれば、
つまり、7%複利で純資産が増加していくことが期待できる。そうすればPBRなどバリュエーションの拡大に依存することなく株価も7%で増えていくだろう。もちろん、良いときもあれば悪いときもある。今後の10年を均して7%の成長率ということである。まあ、モデレートな仮定だと考える。
というわけで、ここから10年前後で日経平均は10万円になる。しかし、そうならないリスク、あるいはその達成が大幅に遅れるかもしれない、重大なリスクがある。それは、
である。この言葉は本邦初公開だ。まだ使われていないと思う。ChatGPTに確認したところ、「AIバブル」「AI失業」ということはかなり言及されているが、「AI不況」というまでのワードはみつけられないとの回答だった。
「AIバブル」は非常によくいわれている。先日も日経に載ったFinancial Timesの翻訳記事でも、AIはただのバブルではなく二重にバブルだと指摘されている(10月19日付「AIに二重バブル問題」)。
記事は、IMFや英中銀などがAI関連株の過熱を警告し、2000年のドットコム期に匹敵すると指摘。元グーグルCEOシュミット氏は「バブルは技術革新を促す」と肯定するが、OpenAIやパランティアの高評価は投機的側面も強く、AIの潜在力は大きい一方、短期回収を迫られる投資構造には脆さがあり、「夢の代償」が問われていると結んでいる。
このような論考や指摘は枚挙にいとまがないが筆者が挙げた「AI不況」はそういうことではない。AIによる失業で不況になるということだ。
