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一見、恵まれた共働き家庭だが…
東京都内で暮らす松村充希さん(35歳・仮名)は、4歳の息子を育てながら、通販事業を展開するメーカーで時短勤務をしています。同じ年の夫はフリーランスのCMディレクターで、年収は約1,000万円。充希さんの年収は400万円と、世帯年収は1,400万円にのぼります。
一見、経済的には恵まれた共働き家庭。しかしその裏では、家事・育児の不均衡に悩む日々が続いていました。
「俺のほうが稼いでる」家事の話をすれば喧嘩に
「産休から復帰してすぐは、本当に寝る時間もなかったです。朝は保育園の準備、帰ってきたら夕飯とお風呂、寝かしつけ。夫は在宅で仕事をしている時間が多いので、『少しでもお風呂か寝かしつけを手伝ってほしい』とお願いしたことがあるんです。でも、『俺は朝から晩までクライアントに振り回されている。家で仕事しているからって楽なわけじゃない』と突っぱねられました」
夫の言い分は、「自分のほうが収入が多いから、仕事に集中するのは当然」というもの。「俺のほうが稼いでいるんだぞ」という言葉が充希さんの胸に突き刺さりました。
「“家事や育児はあなたが得意だからやってくれている”という感謝の言葉があればまだ違ったかもしれません。でも、実際は“俺が稼いでいるんだから当然”という態度で……。その言葉を聞いた瞬間、心の糸が切れました」
「一緒に暮らしている意味もだんだんとわからなくなってきました。このまま続けてもお互い不幸になるのでは」と、最近では離婚を真剣に考えるようになったといいます。
“共働きの見えざる格差” 8割以上が「ある」と回答
充希さんのように、共働き家庭の「負担の偏り」に悩む人は少なくありません。
パーソルキャリア株式会社の調査機関「Job総研」が実施した「2025年 共働き意識調査」(回答者442人)によると、全体の83.1%が共働きにおける“見えざる格差”があると回答しました。
その内訳では、「やって当然という空気感がある」(43.2%)、「一方が無意識に家事を担う」(41.4%)が上位に挙げられています。また、家事・育児の分担については、“女性が多く担うのは仕方ない”と答えた人が56.6%。
一方で、“男性が多く担うのは違和感がある”と答えた人も69.4%にのぼり、社会的な意識と現実の間に大きなギャップが存在していることがうかがえます。
