実家の玄関から知らない男性が「どちらさん?」と…
田中さんが表札を見ると、そこにあるのは父親の名前です。田中さんはインターフォンを押しました。
「はぁい!」
ところが、聞こえてきたのは知らない男性の声です。田中さんが驚いていると、玄関ドアが開き、若い男性が顔を出しました。
「どちらさん?」
田中さんが名前を名乗り、父親の名前を出すと、男性は笑いました。
「ああ、お義兄さんか! 聞いてますよ。いらっしゃい。どうぞ入ってください」
「???」
玄関に入ると、「リョウちゃん! 電話くれたらよかったのに…」といって、母親が顔を出しました。
「一体どういうこと? この人だれ? 前の家はどうなったの」
「そうか! ごめん。お母さん、ちゃんと説明してなかったね…」
母親の話を要約すると、
●上の妹が授かり婚することになり、心配した両親が妹夫婦に同居を提案した
●家が古いので、同居を機に建て替えることにしたが、せっかくなので広い場所に移った
ということでした。亮太さんには何度か連絡したけれども折り返しがなく、家族の間で「だれかが連絡しただろう」と思われ、放置されていたというのです。
