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EV鈍化とガソリン車離れで、「PHV」に集まる熱視線
中国のNEV販売台数は2024年に1286.6万台に達し、2019年の10倍となった。補助金の終了に伴い、EV販売台数の前年比伸び率が16%となり、鈍化傾向にあるなか、PHVは同83%増と大きく成長した。2021年からPHVの販売台数は増加しはじめ、中国のNEV市場に占める割合は2019年の19%から2024年には44%へと上昇した。
PHVが伸びている背景には、中価格帯市場での変化がある。長距離走行が可能なEVはコストの高い大容量電池を採用するため、車両価格が高くなりがちだ。そこにEV向けの補助金減額・終了も重なり、価格面でEVの魅力は薄れた。また、充電インフラの整備がまだ途上であることから、EVよりも航続距離が長く値段の安いPHVに、これまでガソリン車に乗っていた消費者が大挙して流れ込んでいる。
1つ目は、ガソリン車に対するコスト競争力を実現したこと。専用の高効率エンジンを含む複雑なパワートレインの開発に加え、エンジン車にコストで対抗するのは容易ではないというのが、これまでのPHVの常識だった。
しかしBYDの「秦PLUSDM-i」はNEVのため購入税10%が免除になる一方、売却までの走行距離を8万kmと仮定すると、ガソリン代より電気代のほうが約2万元安い。車両価格は3割ほど安いので、それらを合計すると約6万元の差になる。これだけの差がつくとガソリン車は勝負にならない。
2つ目は、EVに対する利便性。電池は低温時には使用可能な容量が大幅に低下し、走行距離が短くなる。中国汽車技術研究中心(CATARC)が2024年にNEV45モデルに対し、テスト調査を行った。多くのEVの航続距離はカタログ値の4~5割にとどまっている。寒冷環境下では充電時間も長くなり、長距離移動の利便性は大きく下がる。PHVはこうした場合でもエンジンを使って電池の走行距離を補える。
また消費者調査の結果をみると、「車両品質」「安全性」「動力性」などの項目では、NEVが内燃機関車と遜色ない評価となった。一方、「航続距離」「車両制御」「乗り心地」など、消費者の関心度の高い項目ではNEVに対する評価が低い。
CATARCの予測によると、2030年時点の中国乗用車市場構造では、EVが42%、PHVが28%、内燃機関車は30%となり、そのうち、PHVの割合は2023年の11%から2030年には28%へと上昇する。確かなのは、短期的にはこれまでガソリン車を購入していた消費者が、EVより走行距離とコストのバランスがとれたPHV市場に流れるということだ。
一方、電池技術の革新による長距離化と充電時間の短縮、電池交換式EVの増加などに伴い、10年後の電動化市場ではEVが依然主役であり続けるとの見方もある。
湯 進
みずほ銀行
ビジネスソリューション部 上席主任研究員
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