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友人たちとの忘年会が重荷に
東京都内で暮らす45歳のワーママ、森川沙耶香さんは、中学生の長女と夫との3人家族。フルタイムで働きながら子育てに追われる日々ですが、学生時代からの友人2人とは毎年恒例の忘年会を開いています。
「そろそろ今年の忘年会の日程を決めよう」と話題に上る時期になりましたが、沙耶香さんの心は少し重くなります。
もともとお酒はほとんど飲めず、1杯で十分。最近は体調も不安定で、なおさら控えめになりました。
「実は3年ほど前に婦人科系の病気で手術をしたんです。関係あるのかわかりませんが、その頃からさらにお酒も弱くなり、体調も崩しやすくなりました」と沙耶香さん。
それでも友人たちはよく飲み、ワインを3人で2本空けることも少なくありません。沙耶香さんはほぼワインを飲まないので、実質1人で1本を空けている計算になります。
「子どもの受験や塾の費用もあって、正直、1人8,000円近く飛んでいくのは痛いんです」と沙耶香さん。世帯年収は1,200万円で一見余裕があるように見えますが、都内では生活費や教育費がかさみ、決してゆとりがあるわけではありません。
「そんな思いをするなら参加しなければいいじゃないか」と夫に言われることもあります。けれど、沙耶香さんにとって気の置けない友人との食事は、かけがえのない時間です。
「友人たちと話して、笑って、おいしいものを食べる時間が、私にとって本当に大事なんです」
友人の余裕がうらやましい…でも悩みは自分に
友人2人は独身で、1人は実家暮らし。2人とも正社員で働いています。話を聞いていると、お金にも時間にも余裕があり、正直うらやましいと思うこともあります。「彼女たちだってそれぞれ大変なことはあると頭ではわかっているのですが、自分に余裕がないせいか、つい羨ましいと思ってしまうんです。以前はこんなふうに思うこともなかったのに」と沙耶香さん。12月は仕事の繁忙期でもあり、日程調整も一苦労です。
去年は12月の半ばに忘年会を開きましたが、年末の忙しさもあって沙耶香さんは途中で気持ちが悪くなり、タクシーで帰宅する羽目に。「タクシー代も痛かったです」と振り返ります。こうした経験もあり、今年は無理せず参加できる方法を考えるようになりました。
「ホットペッパーグルメ外食総研」が行った「お酒を飲む人、飲まない人の意識調査」でも、お酒を全く飲まない人は27.6%に上り、周囲が飲む場で自分だけ飲まないときにネガティブな感情を抱く人は42.3%に達します。さらに「注文金額が少ないことで、割り勘の場で損しているように感じる」と答えた人は15.7%。沙耶香さんも、まさにこの“割り勘負け”の状況に直面しています。
