「現金化」することで“老後の資金計画”も一新
松岡さんは「資産価値」という言葉の意味を、初めて実感したと話します。
「数字上の価値があっても、それを現金化できなければ意味がない。売却することで“住宅ローンのない生活”が手に入ったのが何より大きかったですね」
郊外戸建てに移ったことで、固定資産税は半分以下に。管理費もかからず、老後にかかる住居関連費が大幅に削減されました。
「結果的に“老後に必要な資金”が少なくて済むようになったんです。そのぶんを趣味や旅行に使えると考えると、気持ちにも余裕ができました」
一般的に、老後にかかる住居費は「賃貸 vs 持ち家」の比較で語られることが多いですが、持ち家であっても管理費や修繕費、固定資産税などの維持費は必要です。
とくに分譲マンションの場合、築10年以降に修繕積立金が大幅に増額されるケースが多く、年金生活に入った後では負担感が強まることもあります。
また、タワーマンションのように大規模・高機能な物件ほど修繕費が高額になる傾向があり、住民間の合意形成や管理組合の財務状況も、将来の居住性に大きく影響します。
「マンションが悪かったとは思っていません。でも“資産”として考えたとき、売りどきはあったなと思います。築10年で動いて、本当によかったです」
そう語る松岡さんは現在、地元の町内会活動にも参加しながら、戸建て暮らしを楽しんでいます。
タワマンに住むことは、一種のステータスでもあります。しかし“住む場所”を“お金”として捉え直すことで、老後の不安が減ることもあるのかもしれません。
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