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周りからは”イクメン”と思われているけれど…
小松香織さん(40歳・仮名)は、都内で働く会社員。小学校4年生の息子と、営業職の夫・大輔さん(44歳)との3人暮らしです。結婚して12年。共働きながらも、家事の大半を自分が担っていることに、最近限界を感じています。
「夫は“家事も育児もできるイクメン”と思われているんです。たしかに、息子の塾の送り迎え(週3回)は夫がしてくれますし、参観日にも顔を出します。でも、それ以外は……正直ほとんど私の担当です」
大輔さんは営業職ということもあり、人当たりがよく、外面が抜群。誰かが見ている場面では率先して動くタイプだといいます。
「たとえば、親戚の集まりでは率先して皿を下げたり、『最近は料理もするんですよ』なんて話したりして、みんなから『いいパパね!』って言われています。でも、家ではシャンプーの詰め替えも、トイレットペーパーの交換も、いつも“寸前”で私に回ってくる。ペットボトルもシンクに出しっぱなし。フタを外してラベルを外すのは私の役割です。冷蔵庫のお茶もギリギリまで残して戻すんです。『あ、この人気づいてやっているな』と、何度思ったことか。トイレ掃除一つとっても、便座は掃除するけれど、便座の裏は掃除しないタイプですね」と香織さんはため息まじりに明かしました。
香織さんは、周囲に相談してもなかなか理解されません。
「ママ友に話しても、『送り迎えしてくれるなんて優しいじゃない』『あなたが求めすぎなんじゃない?』って言われちゃうんです。外面が良すぎて、誰にも“本当の彼”が伝わらない」
「だったらあなたがやってよ」思わず声を荒げた瞬間
そんな大輔さんの“勘違いイクメンぶり”が決定的に気になったのは、ある日の夕食でした。
「仕事で疲れていたので、デパ地下でお惣菜を買って帰ったんです。そしたら夫が『食育のためにはなるべく手料理がいいんだよね。俺がお迎えに行っているんだからその間で作れるだろ』って、軽く言ったんです。さすがに『だったらあなたがやってよ』って言いました」
すると週末、大輔さんは本当に料理を作ることに。
「張り切ってスーパーで高級食材をどっさり買い込んで、“ご馳走ディナー”を作ってくれました。確かにおいしかったし、息子も喜んでいたけれど、キッチンは戦場みたい。使ったボウルも鍋も全部シンクに放置。それに、松阪牛や輸入ワインまで買ってきて、食材費だけで1万円近くかかりました。『この物価高によくもこんな』って、正直引きました。『シゴデキはね、料理が完成したときには洗い物も終わっているんだよ!』って、思わず声を荒げてしまいました」と香織さん。
ちなみに、総務省『家計調査報告(2025年8月分)』によると、3人世帯の食料費は外食込みで9万6,786円。香織さん一家は10万円ちょっとかかっています。世帯年収は1,200万円ほどですが、息子の塾代も年間約60万円。今後、学年が上がるにつれて塾代も含めた教育費が増えていくことを考えると余計な出費はおさえたいところです。
