(※写真はイメージです/PIXTA)

長く働いても収入が上がらない——。そんな声が、30代・40代の中堅世代から多く聞かれます。特に物価上昇が続く昨今、月の手取り20万円前後では「暮らすだけで精一杯」という人も少なくありません。本記事では、都内の中小企業で事務職として働く35歳の会社員・田村誠さん(仮名)がたどり着いた副業についてみていきます。

「本業では評価されなくても、副業は自分の努力で稼げる」

田村さんにとって、副業は単なる生活費の補填だけではないといいます。

 

「会社では何をしても評価されない。でも、配達は“1件やればいくら”ってすぐ返ってくる。売れた商品も通知が来るし、レビューももらえる。誰かの役に立った実感があって、自尊心が保たれるんです」

 

確かに、副業には「体力がいる」「ずっと続けられるか不安」という側面もあります。しかし、「自分に残された選択肢の中で、できることをやっているだけ」と、田村さんは静かに語ります。

 

2023年以降、実質賃金は前年比マイナスが続き、多くの人が「生活防衛」の必要性を感じています。そんななか、副業は“お金を稼ぐ手段”というだけでなく、“働くことの意味”や“自己肯定感”を再発見する手段にもなりうるのかもしれません。

 

「副業で生活が豊かになったとは言いません。でも、何もできないまま不安になるよりは、よほどマシです。自分で選んで、自分で動いて、お金を得る。その実感があれば、なんとかやっていける気がするんです」

 

“がんばっても給料が上がらない時代”に、田村さんのように小さな一歩を踏み出す人たちが、静かに増えています。

 

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