ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【基本編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
3LDKマンションで稼ぐ秘密の“副収入”
32歳の会社員、松田裕太さん(仮名)は、いつものように電車に揺られながら、窓の外を流れる桜並木を眺めていました。この通勤路を使うようになってもう2年。転職を機に実家近くのアパートに引っ越してから、毎日片道1時間の電車通勤が日課となっています。
5年前、裕太さんは人生で最も大きな買い物をしました。都心から少し離れた住宅地にある、築浅の3LDKマンション。住宅ローンの返済期間は35年、変動金利0.475%です。
当時の年収は600万円。銀行の担当者は「十分に返済可能な範囲です。しかも住宅ローン控除で年間数十万円程度の税金が戻ってきますから、実質的な負担はさらに軽くなります」と笑顔で説明してくれました。
そのマンションには現在、松田夫婦ではなく、裕太さんらと同世代の若い夫婦が住んでいます。月12万円の家賃収入が、月々9万8,000円のローン返済を上回る計算です。
「まあ、悪くない副収入だよな」
購入してから5年、賃貸に出してからは3年が経過。最近の不動産価格の上昇で、6,000万円で購入したマンションの評価額は、1億円近くになっています。裕太さんはときどき、不動産サイトで近隣の物件価格をチェックしては、密かに満足感を覚えていました。
「このまま順調に価格が上昇し続ければ、純資産1億円の富裕層の仲間入りも夢ではないかもしれない……」
確定申告の時期になると、裕太さんは毎年e-Taxで住宅ローン控除の手続きを行います。銀行から送られてきた残高証明書をみながら、年末残高を入力。その際、画面に「本人が居住することを前提とした制度です」という注意書きが表示されます。しかし、「税金の計算なんて、システムが自動でやってくれるのだから、わざわざ調べる必要もないだろう」と、特に気に留めることもなく、送信ボタンを押していました。
