ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【基本編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
住宅ローンの残債を清算するために…
地方在住の佐藤由美さん(仮名/71歳)は、夫の昭一さん(仮名/74歳)との二人暮らし。昭一さんは地元の中堅建設会社で定年まで真面目に勤め上げ、由美さんは主婦業の傍ら、パートで家計を支えてきました。
夫の定年退職時には、退職金として300万円を受け取っています。しかし、持ち家の住宅ローンが800万円ほど残っていたため、このままでは老後の資金が心もとありません。二人の年金収入は合計で月21万円程度、預貯金は200万円しかなく、生活を維持していくには不安がありました。
そんな折に金融機関から提案されたのが、リバースモーゲージによる住宅ローンの借換。「自宅を担保にしてローンを一括返済し、以後は利息だけを支払えばよい。万一のときには自宅を手放せば完済できる」と説明を受けます。
契約後、住宅ローンの支払いは金利が3%のみ、夫婦は年金とアルバイト収入を合わせれば、質素ながらも穏やかな老後を過ごすことができると契約することに。
ところが、昨年の冬。昭一さんが心筋梗塞で倒れ、帰らぬ人となってしまったのです。
夫の死で突きつけられた「自宅退去」の現実
葬儀を終え、遺品を整理していた由美さんのもとに、銀行から一本の連絡が入りました。リバースモーゲージの契約について、対応が必要とのこと。すぐに支店に出向いた由美さんは、耳を疑うような説明を受けます。
「契約者であるご主人が亡くなられましたので、残債の一括返済が必要となります。現時点で約780万円の残債があります」
由美さんは混乱しました。契約当時、夫からは「僕になにかあっても、君はこの家に住み続けられるから大丈夫」と聞かされていたのです。
しかし、契約書には「契約者死亡時には契約終了」「原則、6ヵ月以内に残債を返済」という条件が記されており、妻である由美さんは連帯債務者にも、保証人にもなっていませんでした。
夫婦の預貯金はほとんど使い切っており、夫の口座は遺産分割協議が整うまで凍結状態。由美さんの年金は月7万円程度で、とても返済できるような金額ではありません。
子どもたちは独立して所帯を持っており、住宅ローンや子育てで余裕があるわけでもなく、資金援助は難しいというのが現実。銀行からは「早急にご判断をお願いします」と通告されました。
再契約の可能性も検討しましたが、由美さんが単身・年金生活者であることから審査に時間がかかるうえ、再契約が通る保証もなく、精神的に追い込まれていきます。
最終的に、娘夫婦から「ひとり暮らしは心配だから、私たちの近くでアパートを借りて暮らそう」と声を掛けられ、由美さんは長年暮らしてきた夫と子どもたちとの思い出の家を手放す決断を下したのです。
坪単価70万円は東南アジアの半額!! 都心で600万円台から購入可能な新築マンション

