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戸建てを売却、“高級老人ホーム”へ入居
夫の三回忌を終え、佐藤和子さん(仮名/73歳)は、東京郊外の広い戸建てに一人、取り残されていました。娘は北海道で家庭を築いており、気軽に帰省はできません。長年連れ添った夫を亡くし、一人きりの生活に、和子さんは漠然とした不安を抱えはじめていました。
家計管理は夫が担っていたため、和子さん自身は渡された生活費の範囲でやりくりするだけの生活を長年続けてきました。足りないときには夫が補填してくれる環境だったため、老後資金をどのように維持するか、長期的なお金の計画を立てた経験もありませんでした。
また、夫が元気だったころはマイカーで移動していたため、最寄りの駅から離れた立地でも不便を感じることはありませんでした。しかし、免許を持たない和子さんは、夫の死後、バスに頼る生活に。近年はその路線も減便され、バスは日に数本。近所にスーパーはなく、頼れるのは週に一度やってくる移動販売車だけです。それでは日常の買い物を賄いきれず、ちょっとした買い忘れも大ごとになります。
夫亡き戸建ての不便さと孤独…安心を求めた決断
「いまはおかげさまで元気だけど、病院に定期的にお世話になることになったら通うのも大変……」
年齢を重ねれば通院は避けられませんが、自宅から病院へ行くにはバスを乗り継ぐ、あるいはタクシーを使わなければならない距離。いざというときにすぐ駆けつけられる環境ではありません。
「このまま広い家に一人でいても、安心は得られない」。そう実感した和子さんは、戸建てを売却して生活の基盤を整え直すことを決断します。しかし、利便性が低い立地であったため、売却価格は思ったほど伸びず、1,500万円程度にとどまりました。その資金を入居一時金に充て、和子さんはある住宅型の有料老人ホームへの入居を決めます。

