(※写真はイメージです/PIXTA)

長年の勤めを終え、手にする数千万円の「退職金」。多くの人にとって、それは老後の生活を支える“最後の命綱”のはずです。しかし、その命綱をあてにしすぎた結果、退職と同時に「こんなはずではなかった」という現実に直面することも。本記事では、山本夫妻の事例とともに、見えない負債の恐ろしさについて、FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が解説していきます。

ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中! 

『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【基本編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)

『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)

『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)

シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!

国家公務員夫の退職金をアテにしていたが…

「これで私も仕事を辞められるかと思ったのに……」

 

山本佳子さん(仮名/59歳)は、無意識にため息を漏らしていました。目の前に広げられた夫の通帳に、あったはずの2,000万円が、ほとんど消えていたからです。

 

夫の浩一さん(仮名/62歳)は、この春に退職した元国家公務員。転勤が多く、家を空けがちな職場に身を置きながら、長年勤め上げてきた人です。佳子さんは夫の退職を機に、長年の仕事から解放される日を心待ちにしていました。

 

佳子さんは地元の小さな会社で事務員としてフルタイムで働いていましたが、子ども2人の大学進学が重なった時期は貯蓄どころでなく、家計は常に綱渡り状態でした。住宅ローンや生活費、教育費に追われ続け、気づけば「退職金と年金が老後の命綱」という状況です。

 

年金の受給見込み額は夫婦合わせて月25万円ほど。さらに、2,000万円を超える夫の退職金。「この退職金があれば、我慢してきた旅行にも行けるし、自宅のリフォームもできる」そう佳子さんは考えていたのです。

 

しかし、退職を祝うためレストランを予約しようとした矢先、夫の口から告げられたのは、あまりに絶望的な言葉でした。

 

夫は視線を伏せながら「実は、退職金ほとんど残らないんだ……」と通帳を広げます。

消えた退職金

「2,000万円もの大金が、なぜ?」

 

佳子さんは投資詐欺にでもあったのかと想像しました。しかし、夫の口から明かされたのは、もっと現実的で、根深い問題だったのです。

 

「住宅ローンがまだ1,200万円残っていて、それを一括返済したんだ。それから、車のローンが300万円、あと……」

 

言葉を濁したあとに続いたのは、200万円ものクレジットカードの分割払い残高。「まさかこんなに残っているとは思わなかった」と夫はいいます。

 

借入の返済総額は、合計1,700万円。退職金2,000万円から差し引くと、残りはわずか300万円です。「もうそんなに……」佳子さんは呆然とします。

 

「すべての諦めがつきました……」と零す佳子さん。早々に仕事を辞めて楽をしようと考えていた計画は崩れ去り、佳子さんは仕事を続ける決断をするほかありませんでした。

 

【12/18(木) 『モンゴル不動産セミナー』開催】

坪単価70万円は東南アジアの半額!! 都心で600万円台から購入可能な新築マンション

 

次ページ退職金とローン残高が重なる家庭

※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録