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疑い深い父の口癖
Aさんは54歳の会社員。大学卒業後の就職をきっかけに実家を離れました。Aさんの実家は、両親が個人商店を経営していました。約30年前、旧友の会社がバブル景気の終息から長引く不況期によって負債を抱え、助けを懇願された父。お人好しだった父は必死にお金を工面して貸しましたが、その旧友は会社を倒産させた末、返済もなく行方をくらませてしまいました。
この一件を境に、父の性格は一変して疑り深くなります。数年後に母が癌のため先立つと、高齢になった父は商売をたたみ、細々と年金生活に入りました。
実家は都心から離れた、海に近い商店街。かつては駅から海岸へ向かって小さな商店が並び賑わいをせたその場所も、商いをする人の高齢化や近隣にショッピングモールができたことで、いまやシャッターが目立つ閑散とした通りに。近所では、「オレオレ詐欺に遭った」「空き巣に入られた」という物騒な噂が絶えません。「お金がない家には泥棒も詐欺も来ないだろう」「銀行に預けるより、自分の体に身に着けておくほうがよっぽど安心だ」それが、父の口癖となりました。
個人事業主だったため、父の年金は月6万円程度の老齢基礎年金のみ。年金だけでは日常生活費が不足していたので、少しの貯蓄を取り崩しながら生活していたようです。そんな様子をみて、Aさんは「財布の中の現金を肌身離さず持っているだけで、オヤジの貯蓄はほとんどない」と信じ込んでいました。
しかし、父が90歳で老衰により亡くなった際、真実を知ることになります。お金もなかったので、家族葬として葬儀含め、Aさんは一人で父を送ることにしました。衝撃を受けたのは、火葬場での出来事――。

