「物も人間関係も最小限にすれば、ストレスなく暮らせる」――そんな理想を掲げて実践する人が増えています。必要なものだけに囲まれ、シンプルに生きる心地よさ。しかし、人生には思いもよらない出来事が訪れるものです。今回は、ミニマリストとして自分らしい暮らしを送っていたCさんが直面した“想定外”をご紹介します。

「小さな暮らし」で幸せを満喫する54歳女性

54歳の女性、Cさんはいわゆる「ミニマリスト」。住まいは6畳一間のアパートで、テレビもソファもラグもなく、壁には時計やカレンダーすらかかっていません。あるのは二人掛けのテーブルと椅子、片隅にまとめられた布団だけ。ここで食事をとり、ノートパソコンを開いて映画やYouTubeを観るのが日常です。

 

洋服も最小限。シーズンごとに黒・グレー・白のベーシックな色の服を3セット用意するだけ。「服を選ぶ手間がないのは本当にラク」とCさんは笑います。現金も持たず、支払いはすべてスマホでキャッシュレス決済。そして、友人関係も整理しました。

 

かつては多くの友人と連絡を取り合っていましたが、年齢を重ねるごとに価値観が合わなくなり、プライベートで会う相手はいません。それでもCさんは「1人でいるのが心地いい」と語り、孤独を感じることはありませんでした。

 

こうした小さな暮らしのおかげで、それほど稼がなくても日々は回ります。Cさんは正社員にこだわらず、パートで週5日、1日7時間だけ勤務。残業なしで月収18万円ほどです。

 

実は、かつて大手企業で正社員として働いていたCさん。仕事に忙殺され、人間関係に苦しんだCさんは、30代後半で会社を辞め、ストレスのない暮らしに舵を切りました。

 

年収600万円を得ていた頃と比べれば収入は激減しましたが、「質素にしていれば十分暮らせる」といい、当時貯めた貯蓄は本当に必要な時にだけ切り崩し、まだ700万円ほど残っています。

 

Cさんにとっては、これが最適な暮らし方。「小さく暮らしていけば、この先もなんとかなる」と信じていました。しかし、その考えは大きく揺らぐことになります。

 

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