築40年の木造アパートを売却したら、突然「税務署」から“お尋ね”が届いたワケ【税理士が解説】
税務メリットと収益効果を最大化…エアコン投資判断のポイント、3つ
1. エアコン選びは「耐久性重視」
投資対象として考えるなら、派手な広告等に惑わされず、耐久性・省エネ性能・メンテナンス性を軸に選びましょう。
・ランニングコストが低いモデル
・メンテが簡単なモデル
これらを押さえることで、トータルコストを圧縮できます。
2. 設置のタイミング
繁忙期直前(3月~4月、6月~8月)には、工事完了済みにすること。理想は春〜初夏に発注・工事予約を済ませることです。ここを外すと、工事待ちで入居チャンスを逃すリスクが出てきます。
ROIと回収期間のシミュレーション
エアコン投資は感覚ではなく、数字で判断するべきです。
回収期間=投資額 ÷ 年間家賃増
例)
投資額:10万円
家賃増:2,000円/月(2万4,000円/年)
→ ROI=24%、回収期間=約4年2ヵ月
これを可視化すれば、リスクとリターンが見える化できます。
エアコンの設置は単なる支出ではありません。戦略的に実施することで、「節税」と「収益最大化」を同時に狙える投資といえるでしょう。しかし、設置時期を逃し、適当に機種を選び、ROIを無視して動いてしまうと、その投資は無意味となります。堅実な中古アパートの経営者は、数字で投資判断し、現場感覚でリスクを潰しています。この鉄則を守るだけで、他オーナーと明確な差をつけられるはずです。
〈参考〉
- 国税庁|耐用年数表(減価償却資産の耐用年数等に関する省令)
➔ エアコンの耐用年数(6年)や減価償却の基本ルールを確認
- 国税庁|少額減価償却資産の特例に関するQ&A
➔ 30万円未満の減価償却資産に関する一括費用処理ルールを確認
- 全国賃貸住宅新聞|エアコン未設置物件の成約率に関するデータ
➔ 「エアコンなし物件は入居希望者の90%以上から除外される」という統計データを参照
- 一般財団法人 日本建築設備・昇降機センター|住宅設備の省エネ性能ガイド
➔ エアコンの省エネ性能に関する情報、選定基準の参考
- 一般社団法人 賃貸住宅管理業協会(ちんかん協会)|空室対策レポート
➔ 設備投資(エアコン含む)が空室リスク低減に与える影響を確認
辻 哲弥
税理士法人グランサーズ

