(※写真はイメージです/PIXTA)

冬本番を迎える前に経営するアパートのエアコンの設置や交換を行うことは、重要な投資判断となります。本記事ではアパート経営におけるエアコン投資の税務上メリットと、収益効果を最大化する方法について、税理士法人グランサーズ代表社員の辻哲弥税理士が解説します。

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税務メリットと収益効果を最大化…エアコン投資判断のポイント、3つ

1. エアコン選びは「耐久性重視」


投資対象として考えるなら、派手な広告等に惑わされず、耐久性・省エネ性能・メンテナンス性を軸に選びましょう。

 

・故障しにくいモデル

・ランニングコストが低いモデル

・メンテが簡単なモデル

 

これらを押さえることで、トータルコストを圧縮できます。

 

2. 設置のタイミング

繁忙期直前(3月~4月、6月~8月)には、工事完了済みにすること。理想は春〜初夏に発注・工事予約を済ませることです。ここを外すと、工事待ちで入居チャンスを逃すリスクが出てきます。

 

ROIと回収期間のシミュレーション

エアコン投資は感覚ではなく、数字で判断するべきです。

 

ROI(投資利益率)=年間家賃増 ÷ 投資額 ×100

回収期間=投資額 ÷ 年間家賃増

例)

投資額:10万円

家賃増:2,000円/月(2万4,000円/年)

→ ROI=24%、回収期間=約4年2ヵ月

 

これを可視化すれば、リスクとリターンが見える化できます。

 

エアコンの設置は単なる支出ではありません。戦略的に実施することで、「節税」と「収益最大化」を同時に狙える投資といえるでしょう。しかし、設置時期を逃し、適当に機種を選び、ROIを無視して動いてしまうと、その投資は無意味となります。堅実な中古アパートの経営者は、数字で投資判断し、現場感覚でリスクを潰しています。この鉄則を守るだけで、他オーナーと明確な差をつけられるはずです。

 

〈参考〉

  1. 国税庁|耐用年数表(減価償却資産の耐用年数等に関する省令)

➔ エアコンの耐用年数(6年)や減価償却の基本ルールを確認

  1. 国税庁|少額減価償却資産の特例に関するQ&A

➔ 30万円未満の減価償却資産に関する一括費用処理ルールを確認

  1. 全国賃貸住宅新聞|エアコン未設置物件の成約率に関するデータ

➔ 「エアコンなし物件は入居希望者の90%以上から除外される」という統計データを参照

  1. 一般財団法人 日本建築設備・昇降機センター|住宅設備の省エネ性能ガイド

➔ エアコンの省エネ性能に関する情報、選定基準の参考

  1. 一般社団法人 賃貸住宅管理業協会(ちんかん協会)|空室対策レポート

➔ 設備投資(エアコン含む)が空室リスク低減に与える影響を確認

 

 

 

辻 哲弥

税理士法人グランサーズ

 

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本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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