(※写真はイメージです/PIXTA)

住宅ローンは購入時点の収入だけで判断できるものではありません。育児や働き方の変化、日々の固定費、将来の教育費まで含めて考えないと、暮らしそのものに重さがのしかかることがあります。住宅金融支援機構『2024年度 フラット35利用者調査』によると、平均総返済負担率は23.2%で、住宅取得後も返済が家計に与える影響の大きさがうかがえます。

「共働きなら何とかなる」念願の新築マイホーム

都内に通勤する会社員の拓也さん(仮名・39歳)と、妻の沙織さん(仮名・37歳)は、2年前に新築の戸建てを購入しました。価格は6,500万円。夫婦の世帯年収は当時で約1,100万円。子どもは保育園に通う2人で、それまでは賃貸マンションで暮らしていました。

 

「子どもが大きくなる前に、マイホームがほしいと思っていたんです。賃貸の更新も近かったですし、今がタイミングかなと」

 

購入したのは、都心まで1時間弱で通える住宅地でした。最寄り駅からは少し歩くものの、土地は広く、駐車場もあり、リビングも明るい。内覧のとき、沙織さんはキッチンから庭が見えることを気に入り、拓也さんは書斎スペースが確保できることに魅力を感じたといいます。

 

「ローンは重いけれど、共働きなら何とかなると思っていました。家賃を払うより、自分たちの家に払ったほうがいいとも考えていました」

 

頭金をある程度入れたものの、住宅ローンの借入額は大きく、月々の返済に加え、固定資産税や火災保険、修繕の備えも必要になりました。国土交通省『令和6年度 住宅市場動向調査報告書』でも、住宅取得世帯では住宅ローン年間返済額や住宅ローンの負担感が重要な把握項目とされており、購入後の負担は家計に直結するテーマです。

 

それでも、入居直後の暮らしは充実していました。

 

「子どもが家の中を走り回れるのがうれしかったですね。夜にリビングの照明を落として、“買ってよかったね”と話したこともありました」

 

沙織さんも当時は、「大変でも、理想の生活に近づいた気がした」と振り返ります。

 

ただ、“何とかなる”は、夫婦ともに今と同じように働き続けられることが前提でした。

 

最初に変化が出たのは、下の子が体調を崩しやすくなった頃です。保育園からの呼び出しが増え、沙織さんは仕事を早退したり、休んだりする日が続きました。もともとフルタイム勤務でしたが、次第に働き方を見直さざるを得なくなります。

 

「子どもが小さいうちは仕方ないと思っていました。でも現実には、収入が少し減るだけでも家計への影響が大きかったんです」

 

そこに食費や光熱費の上昇も重なりました。

 

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