短期的な変動要因
金相場の短期的な変動には市場における投資心理の揺らぎやインフレへの見方、金融政策の方向性、米ドルの動向などが影響します。
1.不透明性やボラティリティ※
地政学リスクや流動性リスク、信用リスクが高まり、株式や債券など伝統的な資産が急激に調整した場合、保有資産が急激な値動きにさらされることへの防衛から、安全資産としての金に需要が集まる傾向があります。金の希少性や長期的な価値保存機能がこうしたリスク回避の受け皿となっている背景にあります。
ただし、こうしたリスクが一時的で混乱が一巡した場合には、質への逃避で積み上げた金の持ち高が短期間で手じまわれるリスクがあります。
※ ボラティリティ……市場指数または証券の価格が上下に変動する傾向を表します。ボラティリティは通常、リターンの年率標準偏差で表されます。現代ポートフォリオ理論では、ボラティリティが高い証券は一般的に損失が発生する可能性が高く、リスクが高いと見られます。
2.期待インフレの動き
物価の上昇時には私たちが利用する米ドルや円の通貨としての価値の低下につながるため、価値が安定している金に対する需要が高まりやすくなります。期待インフレ※は将来のインフレのリスクを測る指標で、これが高まると投資家は資産価値が目減りすることへの防衛から金の需要が増加、価格を押し上げる可能性があります。
※ 期待インフレ……家計や企業、市場などが将来の物価上昇をどの程度予想しているかを示す指標。インフレとは一定期間中に財とサービスの価格が全般的に上昇する現象で、通貨単位あたりの購買力の喪失につながります。インフレは一般的に通貨供給量が、経済成長を上回るペースで増加するときに起こります。
3.金利の動き
金は短期金利や長期金利の影響を受けます。たとえば、短期金利が金融緩和によって低下する、またはインフレや通貨価値の下落、財政懸念などから長期金利が上昇し、短期金利と長期金利の差が開く場合も金価格にとってポジティブに働く傾向にあります。
4.米ドルの下落
国際的には、金相場は米ドルで取引されており、米ドル安局面で金価格は上昇する傾向にあります。米ドルは需給や米金利の動向に左右されるほか、投資家心理の強弱(リスクオン・オフ)にも左右されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください。
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