外食を除いて15万円の食費
総務省『家計調査報告(2025年6月分)』によると、2人以上世帯の食料費は外食込みで8万9,951円。彩夏さんの家庭では、外食を除いてもすでに15万円に達していました。
こうした不満を抱えていた彩夏さんですが、お盆に夫の実家へ帰省した際、夫の「食い尽くし」のルーツが明らかになりました。
実は義実家に本格的に泊まるのは今回が初めて。夕食の席で義実家がお寿司を取ってくれたのですが、彩夏さんと義母が台所で漬物などを用意して席に着いたときには、お寿司の大半が夫と義父に食べ尽くされていました。義母はそれを気にも留めず、「普段はちゃんと食べているの? せっかく実家に帰ってきたんだから、たくさん食べなさい」とニコニコ。「私たちは残ったものでいいわよね」と同意を求めてきた義母。「この一家、終わっている」と彩夏さんは思いました。
翌日、義両親に「もっとゆっくりしていけばいいのに」と引き留められましたが、彩夏さんは1人で自宅に戻ることに。夫が「もう帰るの?」と聞くと、「急な仕事を思い出したから私は電車で帰る。あなたはゆっくりしていたら?」と伝え、夫は「うん! そうする! 仕事頑張ってね!」と呑気に答えたそうです。
帰省後、お盆休み明けから彩夏さんはなるべく外食予定を入れ、夫と家で一緒に食事を取らないようにしていますが、それにも限界があります。少しずつ、離婚への準備を進めようと密かに考えているといいます。
離婚の話を打ち明けた友人からは「そんなことで離婚するの?」と驚かれました。けれど彩夏さんにとっては、単に食べる量や食費の問題ではありませんでした。「私の話を真剣に聞いてくれないこと、気持ちを想像しようともしない態度が耐えられなかったんです。食い尽くしはその象徴にすぎません」と彩夏さんは静かに話します。
最近では、彩夏さんの表情が乏しくなってきたことに夫も気づいたのか、ある日突然、誰もが知る有名ブランドのピアスを買ってきました。誕生日でも記念日でもないのに買ってきたことに驚き、「ありがとう」と表面的には礼を言ったものの、彩夏さんは心の中でさらに絶望したといいます。
「家計が厳しいって何度も言っているのに……。しかも、もしプレゼントしてくれるなら、通勤用のバッグがよかった。実は今のバッグは持ち手が擦り切れているけど、食費がかかるから買い替えを迷っていたんです。あー、私のこと何も見ていないんだなと思ったら一気に気持ちが冷めました」
今年も暑い夏でしたが、すでに関係が冷え切ってしまった彩夏さん夫婦。この先、温め直すことはもうないのかもしれません。
[参考資料]
総務省「家計調査報告」
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