(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査と聞くと、「調査官は厳しくて怖い人が多いのでは」と思う方も多いかもしれません。しかし実際には優しくて物腰の柔らかい調査官が多いようです。しかし、税務調査の場では「優しい調査官」ほど警戒する必要があると言います。いったいなぜなのでしょうか。税務調査に特化した税理士法人松本の松本崇宏代表税理士が解説します。

簡易な接触による申告漏れ金額と追徴課税額

所得税の場合、簡易な接触による税務調査の実施件数は55万7,549件ですが、このうち約半数に当たる27万1,133件に申告漏れが発覚し、申告漏れ所得金額は4,448億円に上っています。また、合わせて332億円の追徴課税がなされています。

 

また、法人の場合、簡易な接触によって発覚した申告漏れ金額は92億円、追徴課税額も92億円となっています。

 

簡易な接触があった場合にも適切な対応を

簡易な接触の場合、税務署から電話や書面による連絡が行われます。また、場合によっては税務署への来署を依頼され、面接によって申告内容の確認が行われるケースもあるようです。

 

調査官が実際に訪れる調査に比べると、調査官と対面しない簡易な接触は気が楽かもしれません。しかし、簡易な接触があっても適切な対応をせず、放置していると、実地調査に発展する可能性があります。

 

簡易な接触も税務調査の1つであり、税務署から電話や文書によるお知らせがあった場合には、適切に対応するようにしましょう。

税務調査官の“優しさ”に油断は禁物

かつては、税務調査の調査官が横柄な態度で納税者に質問をしたり、書類の提出を求めたりといったことがあったようです。

 

しかし、昨今では、ほとんどの調査官は優しい態度で納税者に接します。なぜなら、優しい態度で接すると納税者からより詳しい情報をヒアリングできるようになり、調査をスムーズに進められるからです。

 

調査官が優しい場合、会話が弾むために必要以上に情報を提供してしまうケースもあります。雑談のような会話のなかでも調査官は、重点的に調査すべき事項がないか、調査との関連性を考えながら話題を提供しているはずです。

 

どんなに調査官が優しい態度で接してきた場合でも、税務調査は正しく申告をしているかを調べるための調査であることを忘れてはいけません。

 

また、近年、調査官が現場を訪れずに書面や電話で申告内容のミスを確認する簡易な接触も増えています。簡易な接触であっても適切に対応しない場合、実地の税務調査に発展する恐れがあります。

 

税務署からなにかしらの問い合わせなどがあった場合は、適切に対応するようにしましょう。

 

 

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

 

登録者16万人以上のYoutubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。

代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部・税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

 

税理士法人松本

 

税務調査対応専門チームがある税理士法人として現在全国6ヵ所(渋谷、錦糸町、新宿、横浜、柏、大阪)にオフィスを構え、“成功報酬型”の税務調査サポートを提供する税理士事務所では国内No.1の規模を誇る。国税局等に勤めていた、いわゆる「国税OB」が現在14名常駐。税務調査相談・対応実績は累計5,000件以上で専門性・経験則・折衝力を有する。どの業種より税務調査が厳しいといわれる風俗業界の税務に10年以上特化しながら、あらゆる業種の税務調査に対応し、追徴税額ゼロ円の実績多数。

\11月29日(土)-30日(日)限定配信/

税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法

 

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※本記事は、税理士法人松本の「税務調査ブログ」より転載したものです。

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