(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査と聞くと、「調査官は厳しくて怖い人が多いのでは」と思う方も多いかもしれません。しかし実際には優しくて物腰の柔らかい調査官が多いようです。しかし、税務調査の場では「優しい調査官」ほど警戒する必要があると言います。いったいなぜなのでしょうか。税務調査に特化した税理士法人松本の松本崇宏代表税理士が解説します。

調査官の優しさと調査の厳しさは無関係

求められていない資料まで提出してしまう

税務調査に訪れた調査官が事業内容や事業の状況に関心を示し、親身な態度で話を聞いてもらえると、より事業の内容を知ってもらったほうがよいのかと思うケースもあるようです。そのため、追加の資料の提出を求められた場合などに、対象の資料だけでなく、他の資料も含めて提出してしまう場合があります。

 

税務調査が進められるなかで、調査のために必要な書類の提示を求められた場合、納税者は該当する書類を提示しなければなりません。しかし、調査官が求めていない資料についても提示する必要はないのです。

 

求められていない資料まで提示した場合、調査官が調べたいと思った箇所以外にも疑問点が生じ、新たな指摘を受ける可能性があります。調査官が優しい態度であったために、調査官に対し全幅の信頼を寄せてしまい、結果、税務調査終了後に多額の追徴課税を招いてしまうケースもあるのです。

 

調査官が優しい場合でも、調査の厳しさに変わりはない

優しい調査官であっても、税務調査は正しく申告を行っているのかを調べる確認作業です。そのため、優しい態度で接していても、調査内容が緩くなることはありません。調査官が優しい場合でも怖い場合でも、調査内容が変わることはなく、申告内容に不備やミスが発覚した際には当然、修正申告が求められることになるでしょう。

 

税務調査時は通常、事前通知によって調査日時などが告げられます。この事前通知は、電話で行われるケースが一般的です。人当たりのよい調査官は、税務調査の事前通知を行う際にも、電話でも丁寧な口調で調査への協力依頼を伝えるでしょう。

 

このとき、調査官の口調が優しいと、担当する調査官が優しそうだから厳しい調査は行われないだろうと思ってしまうケースもあります。口調が優しいことに安心し、税務調査の準備を怠ると、税務調査が長引く可能性があります。

 

事前通知を受けた際には、税理士にも相談しながら、準備を進めるようにしましょう。

 

\11月29日(土)-30日(日)限定配信/

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相続税の「税務調査」の実態と対処方法

 

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※本記事は、税理士法人松本の「税務調査ブログ」より転載したものです。

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