(※写真はイメージです/PIXTA)

インターネット上で手軽に物を売り買いできるフリマサイトやネットオークション。一度は利用したことがあるという人も多いのではないでしょうか。ただ、こうした身近なサービスの裏に“税務上の落とし穴”が潜んでいることはあまり知られていません。そこで今回、税務調査に特化した税理士法人松本の代表税理士である松本崇宏氏が、具体的な例を挙げながら、フリマサイトでの所得と税金の関係、そして無申告のリスクを解説します。

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フリマサイトの売上で確定申告が必要な場合・不要な場合

フリマサイトの売上で確定申告が必要になるかどうかは、「所得の金額」や「本業・副業」などの就労状況によって異なります。

 

確定申告は1年間(1月1日~12月31日)に得た所得金額と、それにかかる税金を計算し、翌年の2月中旬から3月中旬の間に税務署へ申告する手続きのことです。会社員であっても、フリマサイトで一定の所得を得た場合には確定申告が必要になります。

 

また、「フリマサイトポイントに交換すれば税金はかからない」と勘違いしている方もいますが、売上金を現金化せずにフリマサイトポイントへ交換した場合でも課税対象となる可能性があります。フリマサイトやネット上のフリーマーケットで得たポイントは、現金と同じように扱われるため、適切な申告が必要です。

 

ここでは、フリマサイトの売上で確定申告が必要になる条件や、不要になるケースを詳しく解説します。

 

副業で20万円を超える場合は必要

会社員の場合、年末調整だけで済んでいる方が多く、確定申告を経験したことがある人は少ないでしょう。しかし、営利目的でフリマサイトを利用し、売買から得た年間所得が20万円を超える場合は、年末調整とは別に確定申告が必要になります。

 

また、副業の所得にはフリマサイト以外のフリーマーケットの売上や副業、投資や仮想通貨などの取引で得た利益も合算されます。

 

ただし、株式投資での源泉徴収ありの特定口座やNISA口座で取引している場合は、原則として申告不要です。

 

一方で、会社が副業を禁止している場合、確定申告時に発生する住民税額の通知によって、副業が会社に知られる可能性もあるので注意しましょう。

 

会社員は、基本的に会社側が税金の手続きをしてくれるケースが多いため、税務関連は分からないことも多いでしょう。

 

無申告というリスクを避けるためにも、所得状況を正確に把握し、必要に応じて税理士や税務署に相談してみてください。

 

フリマサイトが本業で48万円(令和6年度分)を超える場合は必要

フリマサイトでの販売を本業としている場合、所得が48万円(令和6年度分)を超えたら確定申告が必要になることがあります。

 

これは所得税の基礎控除が関係しており、納税者本人の合計所得が2,400万円以下であれば、一律で48万円の控除(令和6年度分)が適用されます。そのため、年間所得が48万円以下の場合は控除を差し引くと0円となり、税金がかからないので、申告や納税が不要です。

 

ただし、フリマサイト以外のフリーマーケットでの売上やほかの所得も合算する必要があります。合算することで年間所得が48万円(令和6年度分)を超えると、確定申告が必要になることがあるので気をつけましょう。

 

また、本業としてフリマサイト販売の活動をしている場合、青色申告を活用したほうが控除額(最大65万円)が多くなります。青色申告控除を利用するには確定申告が必須になるため、この場合も確定申告をしなければいけません。

 

参照:国税庁|No.1199 基礎控除

参照:国税庁|No.2072 青色申告特別控除

 

基本的には所得が少なければ確定申告は不要

副業としてフリマサイトを利用している場合は、年間所得が20万円を超えなければ、確定申告は不要です。また、本業として取り組んでいる場合でも、基礎控除の範囲内である年間所得48万円以下(令和6年度分)であれば課税対象にならないため、申告の必要はありません。

 

このように、年間所得が少なければ確定申告は不要です。しかし、確定申告の有無を計算するのは、売上ではなく所得(売上から経費や送料などを差し引いた金額)が重要になるので、正しい年間所得を把握することが大切です。

 

自己判断が難しい場合は専門家である税理士に相談することで、正確な対応が可能となります。

 

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※本記事は、税理士法人松本の「税務調査ブログ」より転載したものです。

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