売り手の事情:米国本土と日本からの影響
では、なぜここまでハワイ不動産の在庫数が急増しているのでしょうか? 背景には、アメリカ国内外の経済状況の変化や、投資家の心理的な動きが密接に関係しています。
まず、アメリカ本土の住宅所有者や投資家にとって最大の懸念材料は「金利の高さ」です。アメリカでは2022年以降、インフレ抑制のために政策金利が引き上げられ、それに伴って住宅ローン金利も上昇しました。2024年以降も30年固定の住宅ローン金利は概ね7%前後と高止まりしています。
このような高金利環境下では、住宅を購入しようとする人が減り、「今のうちに売ってしまい、とりあえず現金化しておこう」という心理が米国居住者のあいだで一定数現れています。
一方で、日本人投資家にとっては「為替」の影響が非常に大きな判断材料となっています。現在のドル円相場は、歴史的な円安水準に達しており、過去に1ドル=90〜100円台でハワイ不動産を購入していた投資家にとっては、「今売却すれば円換算で大きな利益が出る」という絶好のタイミングです。
実際、2024年以降は日本人オーナーによる売却案件が増加しており、これは市場データにも表れています。ただし、こうした金利や為替の影響にもかかわらず、ハワイ不動産は基本的に価格が下がりにくいという特性があります。
これはハワイ不動産の強みでもありますが、買い手にとっては厳しい状況とも取れますので、現在は価格が高止まりした状態です。その結果、国内外のバイヤーは様子見の姿勢を取りやすく、在庫が積み上がっていくという状況が続いています。
このように、2025年のハワイ不動産市場は「買い手優位」のフェーズに突入しています。一方で、不安定な世界情勢やアメリカ経済の先行き不透明感により、売り手・買い手の双方にどこか慎重なムードが漂っており、「今は現金を確保しておきたい」「手元資金はなるべく使いたくない」といった心理が見受けられます。
こうした保守的な姿勢が市場全体を包むなかで、今のハワイ市場は、冷静かつ戦略的に動くことで、思わぬ好条件での取引ができる面白い時期ともいえるでしょう。
栗原 なな
株式会社Crossover International
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