フィードバック法を使った効果的な“伝え方”
もう1つは、メンバーを評価する際に必ず「強み」と「課題」を3つずつ伝えることです。これは、会社員時代に部下との面談で活用していたフィードバック法です。
強みと課題が1つずつならすぐに出てきますが、3つになると普段からメンバーとコミュニケーションを取って、日常の言動をよく観察する必要があります。強みについては、フィードバックを受ける側にとってもうれしいことなので、伝える側も「課題」よりも比較的出てきやすい項目だと思います。
しかし、課題は簡単には出てきません。簡単に出てこないということは、メンバー本人にとっても気づいていない、あるいは意識していない課題であることが多いです。
したがって、受ける側にとっては「強み」のフィードバック以上に、本人の今後の行動を変えるぐらいの大きな気づきにつながる可能性があります。
なお、「強み」とは違って「課題」は伝え方次第でメンバーのモチベーションが下がる危険があるのも事実です。しかし、この課題を本人に認識してもらえないと、さらなるステップアップに結びつきません。そこで伝え方においては、次のような工夫も必要です。
課題を指摘するときに状況だけを伝えるのではなくて、その課題となっている要因を明確にして伝えることです。例えば「資料が分かりにくい」という指摘の場合は、「論理的に整理されていない」「内容をちょっと詰め込みすぎる」など「なぜ」分かりにくいのか、改善すべきポイントを伝えます。
そして、課題を改善する際には、それを行うことで本人にとってどのようなメリットが得られるのかを示していくことも大切です。
「この資料は分かりにくい」と指摘するだけでは、なかなか改善のアクションにまではつながりません。「論理的に整理して、大事なことから順番に説明しよう」「情報が多くなりすぎると、見る側は何を伝えたいかが分からなくなってしまうので、3つに絞ろう」といったように改善点や次にやるべきアクションを明確にすると、指摘を受けた人も取り組みやすくなります。
こうしたアドバイスは、単なる評価だけに限りません。プロジェクトを進めるうえで、日常的に行っているさまざまなメンバーとのやりとりや、ほかのステークホルダーやベンダーとの交渉などでも活かせるコミュニケーション法です。
後藤 彰弘
最高経営責任者
株式会社MixturePlus
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