トラブル対応と感情は切り離す
何かトラブルが発生したときに、必ず客観的にとらえて判断することも重要です。プロジェクトマネジメントでは、何かしらのトラブルが必ず起こります。それに対して、感情的になって反応してしまうと、その後にまで尾を引いて、悩みの種になり、自身に対して多大なストレスになってしまいます。感情に任せて、激昂してしまうのも良くありませんし、不安になって心配することも同様です。
実際にトラブルが起きたときに、解決への対策を考えることと、トラブルが起きたことに対しての反省や心配といった感情は切り離して考えるべきです。トラブルが起きたときには、いち早く収束させるために、トラブルの状況、原因の特定、影響範囲に関する情報を収集して、対策を手際よく講じていく必要があります。これらのことは、冷静でなければ判断できません。
プロジェクトマネージャーが一人でできることは限られているため、必要に応じてメンバーたちと協力連携を取って進めていくことになりますが、マネージャー自身が動揺して冷静さを失っていてはメンバーも混乱してしまいます。トラブルなどの緊急事態だからこそ、常に安定した精神状態でいることがマルチタスクをこなしていくために重要です。
無駄な記憶は積極的に忘れる
脳はコンピュータと同じで、記憶や思考(演算処理)の容量が限られています。情報を詰め込んでしまい記憶に負荷をかけすぎると、演算処理(考える能力)が低下します。これを防ぐためには、不要と思われる情報や知識は、どんどん捨てて忘れてしまうことです。特にネガティブな情報を抱えていると、精神的にも重荷となりつらくなってくるだけです。
私は仕事上忘れてならないスケジュールや大事な情報は、頭だけに持っておかずに外部に記憶させていきます。大事な情報はメモ機能を活用し、会議日時や納品日といった情報はスケジュール表にどんどん書き込んでいき、さらに事前準備が必要な会議については前日や数時間前にアラームが鳴るようにセットしておくことで、いったん頭の中から完全に消去することができます。
いざというときに、脳のパフォーマンスをフル活用できるように、日頃から記憶の容量の空きを増やしておけるように工夫することが大切です。
