◆遺留分を潜脱する趣旨で作成された信託が無効とされたケース(東京地判平成30年9月12日)
本件は、受益者連続型信託のうち遺留分を潜脱する趣旨で作成された信託行為部分が、公序良俗違反に反して違法であるとして、信託設定に基づく所有権移転登記および信託登記の抹消と遺留分減殺請求を原因として持ち分の一部移転登記を命じた事案です。本件の事案は経緯が複雑なので省略します。
改正信託法施行直後、信託によると遺留分を考える必要はないと主張される実務家がいて、積極的に遺留分を侵害するような民事信託スキームが見られるようになりました。学者や弁護士等は、信託により遺留分が回避できるという考え方には当初より警鐘を鳴らしていたものの、信託により遺留分の問題が回避できるわけではないことが明確になったということでも、本判決は画期的といえます。また、遺留分の対象が信託受益権であると判示した点も注目すべきです。
このように遺留分の問題が信託でも生じることが明確になったとはいえ、遺留分に配慮せずに信託を組成するケースはあとを絶ちません。本事件当時の遺留分減殺請求権は、改正民法により遺留分侵害額請求権として純粋な金銭債権となりましたが、遺留分侵害額請求権が行使されれば、信託の継続が立ち行かなくなる可能性もあります。そこで遺留分にも十分配慮した遺言・信託設計が求められることとなります。
酒井 ひとみ
シティユーワ法律事務所
【10月3日(土)-4日(日)生配信】
海外移住で圧倒的節税!海外金融機関の活用法
~どんな人が海外移住で節税のメリットを享受できるのか~
富裕層だけが知っている資産防衛術のトレンドをお届け!
>>ゴールドオンライン・エクスクルーシブ倶楽部<<
ゴールドオンライン・エクスクルーシブ倶楽部が
主催する「資産家」のためのセミナー・イベント
【9月29日(火)開催】
こんな時、相続した不動産はどうなる?
不動産の評価はどうなる、住宅ローンがある、
相続時の登記や税金は…弁護士が対応策を一挙解説
【9月29日(火)開催】
不動産オーナー必見!利回りより大切な「税引後の手残り」
税理士が解説する“不動産×金融資産”の最適バランスと投資税務
【9月30日(水)開催】
「スマホの中の遺産」家族は見つけられますか?
“エンディングノート”で残す、デジタル遺産・収益不動産・相続財産情報
【AI時代の「家族承継」実践編】
【10月1日(木)開催】
オルカン、S&P500…「NISA」の最適な投資対象とは
金融資産1億円以上の方だからできる活用法
