柔軟な財産管理・事業承継ができると話題の「民事信託」…改正信託法の施行から15年以上を経て、裁判に発展しまうようなトラブルも続発していて…信託紛争リスクを実際の裁判例から【弁護士が解説】

柔軟な財産管理・事業承継ができると話題の「民事信託」…改正信託法の施行から15年以上を経て、裁判に発展しまうようなトラブルも続発していて…信託紛争リスクを実際の裁判例から【弁護士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化社会を背景に、財産管理や事業承継の手段として注目されている「民事信託」。その柔軟性ゆえに活用が広がる一方で、信託の本質や法制度を無視して作成された信託に法的な未整備や認識不足に起因するトラブルも散見され、訴訟に発展するケースも少なくありません。本稿では、信託の成立要件や受託者の義務、公序良俗との関係、さらには遺留分との衝突など、民事信託をめぐる重要な裁判例を取り上げ、制度活用に潜むリスクと、その設計時の留意点について考察します。

 

◆遺留分を潜脱する趣旨で作成された信託が無効とされたケース(東京地判平成30年9月12日)

本件は、受益者連続型信託のうち遺留分を潜脱する趣旨で作成された信託行為部分が、公序良俗違反に反して違法であるとして、信託設定に基づく所有権移転登記および信託登記の抹消と遺留分減殺請求を原因として持ち分の一部移転登記を命じた事案です。本件の事案は経緯が複雑なので省略します。

 

改正信託法施行直後、信託によると遺留分を考える必要はないと主張される実務家がいて、積極的に遺留分を侵害するような民事信託スキームが見られるようになりました。学者や弁護士等は、信託により遺留分が回避できるという考え方には当初より警鐘を鳴らしていたものの、信託により遺留分の問題が回避できるわけではないことが明確になったということでも、本判決は画期的といえます。また、遺留分の対象が信託受益権であると判示した点も注目すべきです。

 

このように遺留分の問題が信託でも生じることが明確になったとはいえ、遺留分に配慮せずに信託を組成するケースはあとを絶ちません。本事件当時の遺留分減殺請求権は、改正民法により遺留分侵害額請求権として純粋な金銭債権となりましたが、遺留分侵害額請求権が行使されれば、信託の継続が立ち行かなくなる可能性もあります。そこで遺留分にも十分配慮した遺言・信託設計が求められることとなります。

 

 

酒井 ひとみ
シティユーワ法律事務所

 

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