「年金だけでは、家賃と食費すら払えない」
「週5で働いていますが、手取りは月12万円。少しでも休んだら生活が回りません」
そう語るのは、都内在住の松下貞夫さん(仮名・70歳)。かつては製造業の工場勤務でしたが、60歳で定年退職。その後は再雇用や派遣を経て、現在は近所のスーパーで品出しのアルバイトをしています。
勤務時間は朝8時から午後2時まで、週5日。時給は1,050円。ひと月での手取り額はおよそ12万円です。
「厚生年金を受給していますが、年額は130万円ほど。月に換算すると約10万8,000円。都内の賃貸に住んでいると、それだけじゃ足りません」
家賃は月6万5,000円。年金だけで支払うと、生活費がほとんど残りません。松下さんの月々の支出は以下の通りです。
家賃:6万5,000円
食費:2万5,000円
光熱費・通信費:1万円
医療費:5,000円〜8,000円
雑費・交際費:1万円
「節約してもギリギリですね。特に夏場と冬場の電気代が怖いです。あと、風邪ひいたら薬代がかさみますから」
年金収入と手取り給与を合わせれば、月収は約22万円。しかし、「どちらか一方がなかったら、生活は成立しない」といいます。
「年金も、もう少しもらえると思っていました。でも会社員時代の給与が高くなかったし、厚生年金の加入期間もトータルで35年くらい。65歳になっても、“やっとこれだけか”という気持ちでした」
内閣府『令和7年版 高齢社会白書』によると、2025年における65歳以上の一人暮らし世帯は男性で18.3%、女性で25.4%と推計されています。総務省『家計調査(2024年)』によれば、無職の高齢単身世帯の月間支出は平均約14.9万円。しかし、可処分所得は約12.1万円。毎月2.8万円程度の赤字が発生しています。
