(画像はイメージです/PIXTA)

「仲介は利益相反だからよくない」「ファイナンシャルアドバイザー(FA)の方が公正だ」といった声を耳にしたことはないでしょうか? 本記事では現場でM&Aを実際に担当する専門家の視点から「仲介=悪」という見方に対し、もう一歩踏み込んだ見解をお伝えします。銀行員として働いていた経験もある公認会計士・税理士の岸田康雄氏が、M&Aにおける仲介の是非について詳しく解説します。

シナジーを最大化することがM&Aの本質

M&Aの本質は、単なるディール成立ではなく、その後の統合プロセス(PMI)において価値を最大化することにあります。売上増加やコスト削減、経営資源の有効活用など、企業同士の組み合わせによるシナジーが発揮されることで、より高い企業価値が実現されます。

 

その結果、雇用の維持や賃上げ、さらには地域経済への貢献にもつながります。M&Aを実際に担当する専門家も、買収後の統合にこそM&Aの成否がかかっているという点を強調されており、「仲介が良いか悪いか」という議論だけに終始するのではなく、本質的な成果に目を向けるべきと語っておられました。

仲介の是非を超えて、M&A支援の本質を見つめ直す

今回は、「仲介=悪」という極端なレッテル貼りではなく、仲介という支援形態の役割と限界、そして他の選択肢との違いについて整理することの重要性を確認しました。仲介者の報酬構造には利益相反のリスクが内在することも否定できませんが、それは仕組みの設計や実務運用次第でコントロール可能な範囲もあると考えられます。

 

M&Aにおける支援のあり方は一様ではなく、仲介型に限らず、FA型やバイサイドアドバイザー型など多様な手法を比較検討することが、成功への近道といえるでしょう。

 

 

岸田 康雄

公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)

 

 

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