以前からある機器だが、普及は5年前くらいから
経営改善に向けた重要な施策として、電気料金の削減があります。建物の照明やエレベーターなど共用スペースの電気使用量を抑えることができる最新テクノロジーを紹介します。
電子ブレーカーの仕組みと効果
電気使用量を節約できる電子ブレーカーは10年以上前からありますが、賃貸マンションに導入されるようになったのは5年前くらいからです。現在でもこの機器に詳しい不動産会社は少ないです。
電子ブレーカーを導入して電気料金を削減するのは、いわゆる携帯電話の料金プラン見直しのようなものだと思います。最初はよくわからなくて、とりあえず高いプランに入ったけれど、実際に使っている量に応じて最適なプランに加入し直すというイメージです。
導入によって効果があるのは「低圧電力」契約の部分
まずは電気料金体系を理解する
一般家庭で支払う電気料金は、契約種別を「従量電灯B」と言います。
契約の単位は「A(アンペア)」で表され、10Aから60Aまで7段階の基本料金と、使用量に応じた電力量料金の合計を支払います。収益物件でも同じものを契約します。そしてもう一つは、「低圧電力」という契約種別になります。
業務用の電力契約として、工場や商店、マンション等でモーターなどの強力な電動機を使う需要に対応したものがあり、契約の単位はkW(キロワット)で表されます。
1kWあたりの単価計算による基本料金と、使用量に応じた電力量料金の合計が課されます。
なぜ「低圧」というのかというと、これは契約電力が50kw未満の施設用で、さらに大きなものには「高圧」「特別高圧」のカテゴリーがあり、ビル・百貨店・スーパー用です。ここでの説明は、多くのマンションに適用される「低圧電力」契約に限定して話を進めます。
電気の契約に「従量電灯B」と「低圧電力」の2種類があるところまではご理解いただいたと思いますが、電子ブレーカーの導入によって効果が表れるのは、主に「低圧電力」契約の部分です。
「低圧電力契約」には2種類の決め方があり、普通は「負荷設備契約」の設定になっていることがほとんどです。これをもう一つの「主開閉器契約」に変更することにより、基本料金が削減できるノウハウです。
言葉が難しすぎるので、次回で簡単に説明します。