銀行や仲介会社の紹介による保険加入は断りづらいが・・・
火災保険については、本来は物件購入時によく検討して、いざと言う時に保険求償能力の高い保険代理店を選ぶことが最も有効です。しかし、物件を購入する際にはさまざまな条件が付けられることもあり、断り切れないこともよくあります。
例えば、銀行の系列会社に保険代理店があって、融資を受ける時に、その保険代理店から火災保険に加入するように促されるケースがあります。
本来銀行は、融資する相手に金利と返済期間・保証人等、本筋以外の条件を課してはいけないことになっています。ですが、融資を受ける立場では、なかなかキッパリと断りにくいものです。
また、物件を紹介してくれた仲介会社が提携している保険代理店があったり、もしくはその会社が保険代理店を兼ねている場合にもまた、相当強い勢いで加入をすすめられます。それらの保険会社を利用したくない理由が明確でないと、相手の意向を受け入れざるを得ないことになるでしょう。
購入する物件はほとんどが中古ですから、購入した後に水漏れや塗装はがれ等、突発的事故が起こる確率はかなり高いと思っておいた方が良いです。
そんな中、事故が起きてもすぐに現場に行ってもらえなかったり、発生状況を聞いただけで「保険適用は無理ですね」と結論を急いでしまうような代理店は、不動産経営の足を引っ張ります。そういう時には、思い切って保険代理店を変えた方が賢明です。
保険を解約する時、代理店はインセンティブを保険会社に返金しなければならなくなりますので、解約にはかなり抵抗します。
私が保険のセールスマンに直接聞いたところによると、最もスムーズに保険を切り替える理由としては、「親戚が保険会社に入社したので、何とか協力してあげたい」というのが無難な線だそうですので、ご参考までに。
つい先日も、管理会社や工事業者の方々が口をそろえて「今回は保険で賄うのは無理でしょう」と言われていた給水ポンプの交換に、実額146万円がかかりました。ですが、的確な保険求償のおかげで1円も自腹を切らずに済みました。
前向きに考えたい地震保険への加入
また、地震保険に入るべきかどうか迷う方もいるようですが、私は入った方が良いと思っています。自宅が被災した経験があるので、なおさら万が一の時の備えの大切さを身にしみて感じています。集合住宅のオーナーとしての責任もあります。
地震保険は、単独で掛けることはできません。まず火災保険に入り、火災保険金額の50%が地震保険の保険金額になります。具体的には、1億円の火災保険に入っていれば、地震保険の金額は5000万円になります。
保険料率は地域によって異なりますし、およそ5年ごとに見直されますので、こういった情報にも敏感になっておきましょう。