負債が大きすぎて、教育ローンが利用できない!?
所有物件を増やしていく時、必ず考えるべきことは法人化です。法人化とは、株式会社か合同会社を設立することを言います。
会社をつくることは非常に簡単で、会社の実印をつくり、住所と社員を決め、費用を納めて法務局に登録するだけです。
なぜ、法人にすると良いのかというと、大きな節税につながるからです。また、個人負債の軽減にもなります。
木造アパートを2棟、RCマンション1棟を、個人名義で所有していた頃は、私の負債総額は住宅ローンと合わせて3億4000万円になっていました。
これは、実際にはキャッシュフローを生み出す不動産を所有しているのですから、生活が苦しくなるわけでもなく、それどころか何十万円も所得が増えて、かなり生活レベルが向上しました。
ところが、勤務先と提携している金融機関に、500万円の教育ローンを申し込んだとところ、審査が通らなかったのです。私の会社でその金融機関から教育ローン融資を受けられないという人は、おそらく私をおいて他にいないくらい、あり得ないほど異例なことでした。
原因は「個人で借りている負債額が大きすぎるから」でした。
家族を社員にすれば「給与」も経費計上可能
そこで、このレッテルを回避するためにとった施策が「法人化」です。
家内を代表社員にしておけば、私の個人負債は住宅ローンだけとなり、記録上は身軽になります。実質的には大して意味のないことなのですが、こういうことも融資戦略上は必要になる時があるのです。
そして、設立した法人に物件を売却し、負債を移管するためには、銀行の了承を得なければなりません。その効果がいかに大きいかを支店長に説明するため、いろいろと細かいシミュレーション表を作りました。
当時のデータでは、個人で所有したまま15年経つと納税額の累計が4458万円、法人化すればそれが105万円となります。なんと15年で4353万円も節税ができるのです。
なぜこんなに差が出るのかというと、個人で所有している場合には、法人に比べて経費計上の条件に限りがあるからです。多くの利益が出た時に、それを圧縮できる幅がとても小さいのです。
例えば、経費によるマイナス分は、個人では繰越期限が3年であるのに対し、法人では9年間あります。利益額を調整しながら繰り越すことができます。
さらに法人では、役員報酬という給与を支払うことによって、自分を含めて社員登録している家族分の人件費を経費計上することができます。
これらを事前に計算して、銀行に説明するために、内容を会計事務所にも確認しました。そして、「節税と、修繕のための現金確保をして、安定経営を図るために法人化したい」というシナリオで、銀行への説明に臨みました。