本記事のポイント
・4ヵ月ぶりの高値は企業業績の見通しと金利にポジティブな変化が理由
・不透明感の後退と日銀が利上げを急がないハト派姿勢維持のシナリオに期待
日経平均は極めて理論価格に近い動きをみせるようになった
日本株にとってなにが朗報かといえば、理論価格で相場を語れるようになったことである。ほぼすべての金融資産は、その資産が生み出す将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いて理論価格を求める。日本は長く金利がマイナスか、あるいはまったく意味をもたない低水準にあったため、こうした割引現在価値という尺度が使えなかったが、「金利のある世界」に戻ったことでようやく理論価格が求められるようになった。
4月初めのトランプ関税を巡る混乱から立ち直ったいま、日経平均は極めて理論価格に近い動きをしている。
日経平均は3万8,000円台に乗せると途端に上値が重くなり、伸び悩む展開が続いていたが、今週(2025年6月16日週)は違った。一昨日の18日は3日続伸で終値は前日比348円高の3万8,885円と2月19日(3万9,164円)以来、4ヵ月ぶりの高値をつけた。

