2.金の潜在的資本価値の上昇
⾦投資を検討すべき理由は市場下落時における打撃を抑えるだけではありません。⾦には、投資家にキャピタルゲインを通じて、⻑期的かつ戦略的な投資機会を提供するという利点もあります。⾦がもたらすリスク低減効果とリターンの低相関性は、ポートフォリオのドローダウンを低減することが期待され、ポートフォリオの最適化につながると考えられます。また、⾦は市場サイクルにおいて投資元本を成⻑させる機会も提供すると考えられます。
過去における長期投資からの収益率
⾦は好不況にかかわらず、さまざまな景気サイクルを通じて、競争⼒のある⻑期リターンを歴史的に提供してきました。⾦を組⼊れることにより、⻑期的なリスク分散効果を通じてリスク調整後リターンの最適化が期待されます。
プラスのリスク調整後リターン
景気サイクルを通じてポートフォリオの価値を⾼め、リターンを最適化することは、⻑期ポートフォリオを構築する際に極めて重要なポイントです。さらに、ポートフォリオ内の資産クラスの相関性の低さは、ポートフォリオのボラティリティ低下に寄与するため、他の条件がすべて同じ場合、分散効果は⼤きくなり、時間とともにシャープレシオの改善や全般的なリスク調整後リターンの向上につながることが期待されます。
仮想マルチアセット・ポートフォリオ(組⼊資産にはグローバル株式、各種債券資産クラス、不動産、プライベート・エクイティ、コモディティなども含む)にGLDを組⼊れることで、リスク・リターン特性がどのように改善するかについて分析しました。その結果、2005年1⽉1⽇(GLDの設定1年⽬)から現在までのSPDR®ゴールド・シェア(GLD®)の組⼊⽐率を2〜10%とした場合、GLDを組⼊れなかった場合に⽐べて、仮想ポートフォリオの累積リターンとシャープレシオは改善し、最⼤ドローダウンは低下していた可能性があることが分かりました。
出所:ステート・ストリート、2025年3月31日時点。株式はMSCIオール・カントリー・ワールド(ACWI)日次トータルリターン指数、国債はブルームバーグ・グローバル総合国債トータルリターン指数、投資適格(IG)債はブルームバーグ・グローバル総合社債トータルリターン指数、インフレ連動債はブルームバーグ・ワールド・インフレ連動債トータルリターン指数、ハイイールド(HY)債はブルームバーグ・グローバル・ハイイールド社債トータルリターン指数、新興国(EM)債はブルームバーグ新興国市場ハードカレンシー総合債券トータルリターン指数、不動産はグローバル・プロパティ・リサーチ総合トータルリターン指数、プライベートエクイティはLPX総合上場プライベートエクイティ・トータルリターン指数、コモディティはブルームバーグ・コモディティ・トータルリターン指数、金はSPDR®ゴールドシェア(GLD®)を表します。
資産配分シナリオは仮定のためのものであり、特定の資産配分戦略を示すものでも、特定の資産配分を推奨するものでもありません。投資家の状況はそれぞれ異なり、資産配分の決定は投資家のリスク許容度、投資期間、財務状況に基づいて行う必要があります。指数に直接投資することはできません。ポートフォリオにGLDを追加した場合の影響は、投資家による資産配分の決定や市場のパフォーマンスといったさまざまな要因によって異なります。指数のリターンは運用によるものではなく、いかなる手数料または経費の控除も反映されていません。指数のリターンは各種インカム、キャピタル・ゲインまたはロス、配当およびその他インカムの再投資を反映しています。リターンは特定の商品のものではありませんが、表に記載されている構成銘柄の、実際のパフォーマンス・データを数学的に組み合わせることで算出しています。仮想混合ポートフォリオのパフォーマンスは、取引費用やリバランス費用を想定していないため、実際の運用成果は上記と異なります。SPDR®ゴールドトラスト(GLD®)のパフォーマンスは、年間経費率0.40%を反映しています。すべてのデータは、月次のパフォーマンス測定に基づいています。運用リターンおよび元本価額は変動するため、売却時にキャピタル・ゲインまたはロスが生じる可能性があります。現在のパフォーマンスは、記載時点のものより高いまたは低い場合があります。最新の月末パフォーマンスについては、ssga.comで確認することができます。仮想ポートフォリオ手法の計算に関する詳細は、用語集をご覧ください。