(写真はイメージです/PIXTA)

6月11日に日銀が発表した5月の企業物価指数は、伸び率が3%台に鈍化し、前月比では9ヵ月ぶりのマイナスとなりました。輸入物価の安定が背景にある一方、コメ価格の高騰という懸念材料も残ります。本稿では、ニッセイ基礎研究所の佐藤雅之氏が、最新の統計から今後の物価動向について詳しく解説します。

契約通貨ベースの輸入物価は前年比▲4.7%

5月の契約通貨ベースの輸入物価は、前年比▲4.7%(4月:同▲2.7%)と9ヵ月連続のマイナスとなった。内訳をみると、ガソリンが前年比▲22.4%と10ヵ月連続のマイナス、ジェット燃料油が同▲18.1%となったことなどから、石油・石炭・天然ガスは前年比▲14.3%(4月:同▲9.3%)と9ヵ月連続でマイナスとなった。

 

契約通貨ベースの前月比では、▲1.2%(4月:同▲0.6%)と3ヵ月連続のマイナスとなった。内訳をみると、原油が前月比▲6.2%と3ヵ月連続のマイナス、液化天然ガスが同▲2.2%と4ヵ月連続のマイナスとなったことなどから、石油・石炭・天然ガスは前月比▲4.7%(4月:同▲2.3%)と3ヵ月連続でマイナスとなり、全体を押し下げた。

 

5月の為替相場は、対ドルでは144円台(前月比0.2%)と前月から横ばいで推移し、円ベースの輸入物価は前月比▲1.1%(4月:同▲3.0%)と前月よりマイナス幅が縮小した。

 

出所:日本銀行「企業株価指数」
[図表4]輸入物価指数の前年比推移(契約通貨ベース) 出所:日本銀行「企業株価指数」

 

出所:日本銀行「企業物価指数」
[図表5]輸入物価指数の前月比推移(契約通貨ベース) 出所:日本銀行「企業物価指数」

先行きの国内企業物価は2%台で推移すると予想

国内企業物価は前年比の伸び率が前月から鈍化し、6ヵ月ぶりに前年比3%台となった。先行きについては、飲食料品の上昇率が前年比4.2%と2023年夏頃(同8%台後半)に比べれば低水準にとどまっているものの、食料品値上げの動きはしばらく続く可能性が高い。そして、電気・都市ガス代の支援策は2025年7~9月使用分で再開されることとなったが、2024年8~10月使用分でも実施されており、値引き額は今回のほうが小さいため、支援策によるエネルギー価格の前年比上昇率の押し下げ幅は限定的にとどまるだろう。

 

一方、農林水産省が6月9日に発表した5月26日の週のコメの平均店頭価格は4,223円/5kgと2週連続で価格が下落している。備蓄米の販売が本格化していることで、コメ価格は次第に下落していくことが見込まれる。以上より、先行きの国内企業物価は2%台で推移すると予想する。

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2025年6月11日に公開したレポートを転載したものです。

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