父が遺した「180坪の実家」を持て余した60代女性、相続税820万円→ゼロ&家賃収入33万円を得た〈驚きの逆転劇〉の中身【相続の専門家が解説】

父が遺した「180坪の実家」を持て余した60代女性、相続税820万円→ゼロ&家賃収入33万円を得た〈驚きの逆転劇〉の中身【相続の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「父が残してくれた家、正直どうしたらいいかわからなかったんです」そう話すのは、今回ご相談を受けた松田さん(60代・無職・独身女性)。介護の末に相続した実家は、住む予定のない「空き家」。思い出はあるものの、維持費が重く、将来への不安が募っていました。遺された実家をどうするか? 「保有」ではなく「活用」へと踏み切った松田さんの決断と、その背景にある相続対策を、相続実務士・曽根惠子氏(株式会社夢相続 代表取締役)が解説します。

不安だった老後が「収入のある安心な生活」に変わった

松田さんは今、毎月の家賃収入で生活費をまかない、必要なときにゆとりを持って使えるようになりました。


「お金の心配がなくなっただけでなく、“ちゃんと運用できている”という実感があるから、心まで安定しました」とホッとした表情。収入があることのメリットをあげると次のようになります。

1. 老後の生活に「ゆとり」と「安心」をプラス

公的年金だけでは、生活はできても「余裕がない」と感じる人が多い中、月33万円の家賃収入があれば、医療・旅行・趣味・子や孫への援助といった支出にも対応できます。


老後の生活に「我慢」や「不安」を感じることが減り、心身ともに豊かなセカンドライフを実現できます。

2. 年金の補完としての“安定収入”

家賃収入は、株や投資信託のように価格変動が激しいものとは違い、比較的安定したキャッシュフローが見込めます。万が一、年金の支給額が将来減るような制度変更があっても、生活基盤を守る力になります。

 3. 貯金の取り崩し不要 → 老後資金が減らない

年金だけでは足りず、貯金を取り崩して生活している高齢者も多い中、家賃収入があることで資産を維持または増やすことも可能になります。「老後にお金が尽きる不安」から解放されることは、精神的にも大きな安心材料です。

 4. 介護や医療が必要になったときの備え

高齢になると、将来の介護費用や施設入居費用の準備が大きな課題になります。月33万円の家賃収入があれば、いざというときも自助努力で対応しやすく、家族に負担をかけずに済むという点でも大きなメリットです。

5. 次世代への資産承継がしやすくなる

賃貸物件という「収益を生む資産」を所有していれば、将来、甥・姪などに残す価値ある財産になります。売却すれば現金化もできるため、相続対策や納税資金対策としても有効です。

 6. 社会とのつながりが生まれ、生きがいにも

賃貸経営は、管理会社との連携や、時には入居者対応もあります。完全に孤立せず、社会とつながる役割を持てることも、精神的な健康や生きがいにつながる点です。

まとめ

月33万円の家賃収入は、単なる“お金”以上の価値をもたらします。それは、「お金の不安から解放されること」=「老後を自分らしく生きる自由」を得ることでもあり、安心・自由・尊厳ある老後生活を支える非常に大きな力になります。

 

【この事例のポイント】
  • 住まない実家は早めに処分を検討 → 維持費がかかり、活用しなければ負債に。
  • 売却代金は預金にせず、不動産に再投資 → 賃貸用不動産なら収益を生みつつ評価減も可能。
  • 分散購入でリスクヘッジ → 立地・間取りの異なる複数の物件で空室リスクを回避。
  • 生命保険や特例も活用 → 現金部分の評価調整や非課税枠の活用でさらに節税。

 

「不動産を相続したけれど、どうしたらいいのかわからない」そう感じている方は、松田さんのように“保有”から“活用”へ”という視点で、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか? 家賃収入が“安心”と“ゆとり”を生む相続対策となるかもしれません。

 

曽根 惠子
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
相続実務士®

株式会社夢相続 代表取締役

 

◆相続対策専門士とは?◆

公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp)認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。

 

「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。

 

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