家族であっても同居を安易に受け入れると危険…その理由
娘からのお願いだからと、安易に同居を受け入れた政夫さん夫婦。同居には生活のリズムの違いや価値観の違い、そしてプライバシー確保など多くの問題があります。
そして最も大切なことは、同居における生活費の考え方です。政夫さん夫婦の失敗は最初に5万円入れてくれたときに何も言わなかったことにあります。
本当にそれで足りるのかを実際に生活してみて計算し、不足するならその分を補填してもらうべきだったのです。娘とはいえ、別の世帯を持っている以上、遠慮する必要はまったくありません。逆に娘だからこそシビアに考えるべきでした。
政夫さん夫婦の例から学べるのは、同居は決して安易に受け入れていいものではないということ。むしろ、家族だからこそお金の話や家事分担を最初にしっかり決めておくべきなのです。
お互いの生活や経済状況を確認し、きちんとルール化しておかないと、後々問題になり、家の中の雰囲気も悪くなってしまいます。年金生活の親に経済的な負担をかければ、その後の老後資金にも重大な影響を与えかねません。
政夫さん夫婦にも「定年後に夫婦で旅行をしたい」「新しい趣味を見つけたい」などの夢があったはずです。子や孫を助ける気持ちは尊いですが、自分たちの暮らしを守るためには線引きが不可欠です。
同居は、親子や孫が一緒に過ごせる貴重な時間でもあります。しかしそれを幸せと感じられるかは、お互いの準備次第といえそうです。
新井智美
トータルマネーコンサルタント
CFP®
注目のセミナー情報
【その他】12月24日(水)開催
応援したい若者を自身で選ぶ!
あなたの名を冠した「オリジナル奨学金」で後世に残る社会貢献
【国内不動産】12月26日(金)開催
『ふふ』などのスモールラグジュアリーリゾートを開発・運営し、
多種多様な業態をプロデュースするカトープレジャーグループが創造する
唯一無二の別荘オーナーライフスタイル
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
