退職金2,500万円に浮かれる夫に、妻からの静かな一言
「あなた、定年までお疲れさまでした。さようなら」
恵子さん(58歳)が夫の将司さん(60歳)に離婚を切り出したのは、彼が定年退職を迎え、退職金を受け取った直後のことでした。
将司さんは大手企業に勤め、定年退職と同時に退職金2,500万円を受け取りました。65歳までは関連企業の契約社員として働くことが決まっており、年金受け取りまでの生活費も確保できています。
一見、夫婦の老後は安泰に見えました。しかし、将司さんは「俺が稼いだ金なんだから、使い道は俺が決める」と断言。自己中心的な考え方を崩しません。
恵子さんは専業主婦として30年以上もの間、家庭を支えてきました。家計管理や子育て、将司さんの親の介護・看取りと、夫のキャリアを陰で支えてきた思いがあります。
そんな恵子さんに感謝するどころか、年を重ねるにつれて将司さんの言葉遣いはどんどん荒くなっていきました。仕事の重責などでストレスがあったか、元々本人も認める「九州男児、亭主関白」タイプでしたが、そんな表現では収まらない状況に。
「誰のおかげで食えると思っているんだ?」
「そんなことも分からないのか」
そんな言葉を当たり前に投げつけられる日々。恵子さんは「彼が65歳になったら仕事にも行かず、ずっと家にいるようになる。絶対に耐えらえない」と、離婚を望むように。
しかし、専業主婦である自分が、夫と離れて生きていけるのか? そこが問題でした。しかし、恵子さんは諦めません。50代半ばから弁護士やFPに相談したり、書籍を読み漁ったり。知識を蓄えながら着々と「その時」のために準備を重ねたのです。
