「家族だから…」が生む、甘えの連鎖、貯金は激減
「娘のため」「孫のため」と自分に言い聞かせ、娘夫婦に生活費として5万円を受け取りましたが、正直なところ全然足りません。食費や光熱費は跳ね上がり、孫がケガをしたときの病院の付き添い費用などもすべて政夫さん夫婦が負担。
ときには全員で外食したりすることもありました。しかし、それらの費用もすべて政夫さんが負担。孫が服や靴が欲しいと言えば、可愛い気持ちが勝って買ってあげる日々……。
「お金を貯めたい」という目的で同居を望んできた娘夫婦に、それらの費用を請求することにためらいを感じていました。しかし、そんな生活が続くうちに、政夫さん夫婦の貯金額はあっという間に200万円近く減ってしまったのです。
「孫と一緒に暮らせて幸せでしょ?」娘との温度差に仰天
同居生活が1年続いた時点で体力的にも経済的にも無理だと感じた政夫さん夫婦。「娘にそろそろお金も貯まっただろうし家の購入に踏み切ってくれないか」と話したところ、思わぬ言葉が返ってきたのです。
「今の生活に慣れちゃったから、もう少し居させてよ。貯金もまだそこまで貯まってないし、何より孫が可愛いでしょ? 私としても十分助かっているし、孫の顔がいつも見れることは親孝行になっていると思うんだけど」
どうやら、娘は「同居が親孝行だ」という甘えた感覚が芽生えていたようです。それを聞いた政夫さんは、さすがに怒りの声をあげました。
「甘えるのもいい加減にしろ!」
そして、半年以内に家を出て行くように娘に言い渡したのです。結局、娘夫婦は当初購入しようとしていた新築マンションではなく、中古マンションを購入することにして、引っ越していきました。
政夫さん夫婦は家の購入をする際に頭金を少し援助しようと思っていましたが、その分のお金はこの1年間で使ったと考え、援助はしないと決めました。
