「家を建てるための費用を貯めたい」…娘からの同居提案
安達政夫さん(68歳)は妻の靖子さん(66歳)と2人暮らしです。現在の収入は夫婦合わせて月23万円の年金だけ。とはいえ、住んでいるマンションのローンは返済しており、3,000万円弱の貯金もあるため、贅沢をしなければ夫婦2人で問題なく暮らしていけるはずでした。
その矢先、娘(37歳)から「家を買いたいから同居させてほしい」との相談を受けたのです。娘は結婚し、同い年の夫と小学生2年生の子どもの3人家族。賃貸マンションに住んでいましたが、家賃を節約してマイホーム資金を貯めたいという切実な願いでした。
確かに毎月支払う家賃を貯金に充てれば、マイホームを買うための資金が早く貯まります。政夫さんが住んでいるマンションは4LDKで、夫婦二人には持て余す広さ。そこで、妻の靖子さんと相談し、お金が貯まるまでの一時的な同居だからと娘の希望を受け入れました。
生活リズムの激変、理想と現実のギャップ
しかし、実際に娘一家が引っ越してきてみると、生活は想像以上に大きく変わりました。政夫さん夫婦は、年金生活が始まってからは、朝は8時ごろに起き、家事をこなしてからゆっくり朝ごはんを食べる、という穏やかなリズムでした。
それが同居してからというもの、ドタバタと慌ただしい空気に寝ているわけにもいかず、朝6時に起きる嫁夫婦に合わせて起きるように。
朝食作りも、今まで夫と2人分の食事を作ればよかったのが、一気に5人分作らなければならなくなりました。娘一家が食事をして8時頃に子どもと一緒に家を出ると、政夫さん夫婦はその後に朝ごはんを食べることになります。
洗濯も悩みの種でした。2人と5人の洗濯物の量は全く違います。日中に2度、さらに孫が野球をやっていることもあり、場合によっては夜も洗濯をしなければならない羽目に。
「朝から晩まで家事に追われている」――これまでの生活ペースは一変。加えて、共働きの娘夫婦が帰宅するのは、遅い時は21時を過ぎることも。孫と先に食事を済ませ、帰宅後の娘夫婦に温め直して出す手間も増えました。お風呂も追い焚きが必要で、掃除も靖子さんの担当です。
娘は「仕事のない土日は家事を手伝う」と言って、平日は一切の家事を靖子さんに任せていました。しかし、子どもの野球の試合があれば、その手伝いに夫と一緒に参加するなど、結局土日も何もしないことがほとんど。
また娘の夫も仕事が忙しく、帰宅後は食事を済ませるだけでほとんど何も手伝わないため、政夫さん夫婦の負担は増すばかりでした。
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