3,500万円の老後資金が8年で1,500万円に激減
木下友紀さん(仮名・73歳)は65歳で会社を退職し、現在は妻の美智子さん(73歳)と2人で年金生活を送っています。
夫婦は子どもたちが独立してお金がかからなくなった頃から住宅ローンの繰り上げ返済を行い、59歳で完済しました。その後の貯蓄額と退職金を合わせると、65歳の時点で3,500万円の老後資金があったことに。
借金もなく、十分な貯蓄。さらに、夫婦の年金は月25万円ほど。まさに「安泰」そのものといえる状況です。しかし、それからわずか8年で資産は約1,500万円まで減少。短い期間で想定以上に資産が減ったことで、夫婦は不安に襲われているといいます。
65歳:妻と悠々自適な老後生活をスタート
65歳でリタイアした後、夫婦は予約の取りづらい高級レストランで食事をしたり、友人とのゴルフを満喫したりと、「これまで頑張ってきたご褒美」を満喫し始めました。
長年の夢だった海外旅行も実現。行き先は主にヨーロッパで、ビジネスクラス・現地ガイド付きのオリジナルプランを選び、費用は1回あたり200万円を超えました。
美智子さんは毎月の生活費はきちんと管理していたものの、旅行代や外食といった娯楽費は友紀さんの退職金任せにしていたといいます。
さすがに4回目の海外旅行のときには「ちょっと贅沢すぎないかしら」と聞いたものの、友紀さんからは「まだ貯金はあるよ」という楽観的な言葉。美智子さんも楽しい時間を過ごしていたため、お金の話はそれ以上しませんでした。
しかし、そんな老後を過ごしていた1年前、美智子さんの身体に異変が起こりました。
