長生きが怖くてたまりません…69歳妻が絶望。45年連れ添った優しい夫との別離に追い打ちをかける「遺族年金わずか5万5,000円」の衝撃

長生きが怖くてたまりません…69歳妻が絶望。45年連れ添った優しい夫との別離に追い打ちをかける「遺族年金わずか5万5,000円」の衝撃
(※写真はイメージです/PIXTA)

いつか訪れる配偶者との別れ。そんな万一のときに助けとなるのが遺族を経済的に支える年金制度「遺族年金」です。とはいえ、誰でも受け取れるわけではなく、受け取れても受給額が多いとはいえないのが実情です。今回は、夫を亡くした69歳妻の事例をご紹介します。

遺族年金の仕組みと「5年で支給打ち切り」改正の行方

遺族年金は「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」に分かれます。個人事業主やフリーランスなど、国民年金の加入者が亡くなったときに遺族が受け取れるのが「遺族基礎年金」。会社員など厚生年金の加入者が亡くなったときには「遺族基礎年金」のほかに「遺族厚生年金」も受け取れます。

 

ただし、遺族基礎年金の対象になるのは「18歳未満の子がいる配偶者または18歳未満の子ども」という点。受給額は年83万1,700円の基本額(2025年度)と子どもの加算額です。

 

一方の遺族厚生年金の対象になるのは妻と18歳未満の子ども。夫については妻が亡くなった時の年齢が55歳以上という縛りがあります。受給額は亡くなった人の老齢厚生年金(報酬比例部分)」に4分の3を掛けた額です。

 

また、自分自身にも厚生年金がある場合は、「併給調整」によって遺族厚生年金の一部が支給停止になることも。高いほうを優先して支給し、もう一方は一部または全部が支給停止となる仕組みのため、結果的に期待より受給額が減るケースもあります。

 

こうしたことから、配偶者の死後に受け取れる年金は想像以上に少なくなることも。貯金や保険など、あらかじめ備えておくことが求められます。

 

今、政府内では「若年層の遺族厚生年金は5年で打ち切るべきではないか」といった制度見直しの議論が進められています。これは主に、50代以下の遺族に対して、自立を促すという名目で給付期間を制限する方向で検討されています。

 

今はまだ制度改正には至っていませんが、仮に見直しが実施されれば、専業主婦として家庭を支えてきた人たちが、わずか5年で遺族年金を打ち切られ、その先の人生を生き延びなければならない未来が現実になるかもしれません。

 

さち子さんの年齢だとこの改正案の対象には当てはまりませんが、これを考えると、夫の遺族厚生年金を終身で受け取れるさち子さんは、まだ「恵まれている側」といえるでしょう。それほど遺族年金制度はいま、厳しい岐路に立たされています。

 

参考:日本年金機構「遺族年金(受給要件・対象者・年金額」

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/index.html

 

 

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