富裕層にも、富裕層を目指す人にも読んでほしい
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老後はクレジットカード頼みの自転車操業
Aさん夫婦はともに68歳。65歳でリタイアしたあと、年金生活を送っていました。Aさん夫婦の年金は月19万円です。物価が上昇するなか、年金だけでは生活が苦しく、日々の支払いはクレジットカード頼みとなっていました。支払いをしながらまたカードを使う、いわゆる“自転車操業”を繰り返し、貯蓄はありません。
それでも、Aさん夫婦は「お金はなんとかなるだろう」と考えていました。理由は、実家が裕福だったためです。Aさんは国家公務員だった父親のもとで育ち、父親がなくなったあとも今年91歳になった母親には月22万円の年金収入があり、自宅を含めた資産は約5,000万円ありました。「母親から相続したら、清算できる」そんな風に高を括っていたのです。
Aさん夫婦は母親が介護施設に入ったのを機に、空き家となった実家に戻ってくることにしました。
「実家に戻れば家賃もいらなくなるし、楽になるだろう」
しかし、そんなAさん夫婦の思惑は見事にはずれました。暮らし向きはまったく改善しなかったのです。
それもそのはず。実家に引越したからといって当然、年金収入が増えるわけでもなく、むしろ、交通費や生活必需品の買い直しなど、新たな支出がふえました。もともとクレジットカードの返済に追われていたAさん夫婦の家計は、さらにカード返済が増え、物価上昇もあいまって思うように支出を減らせなかったのでした。
甘かった「実家頼み」の計画
そんななか、Aさん夫婦の家計に追い打ちをかけたのが、「実家の老朽化」でした。
雨漏りが発生したのを機に、業者にみてもらったところ、水回りや外壁などにも修繕が必要な箇所が次々とみつかり、見積額は300万円を超えました。
手元に貯金がなかったAさんは母親の資産から賄おうとしますが、まとまった金額のほとんどは引き出せないことが銀行で判明。母親本人が取引しないと現金化できないことがわかったのです。
「なんてことだ……!」
あるはずなのに使えないという状況に、Aさん夫婦は真っ青になりました。
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