実家の建て替え計画
大輔さんの父親の実家の土地は35坪あり、空家を解体して、賃貸アパートに建て替えた場合の事業計画の想定をしてみると下記のようになります。
前提条件 容積率100% 建蔽率50%の角地 木造3階建て最寄駅より徒歩20分につき、2LDK2戸のテラスハウスとします
賃料は坪8,000円 駐車場5,000円 建築単価坪80万円
事業費は借り入れ 30年返済 1.5%
このような条件での事業計画の想定は以下のようになります。
事業費内訳(総額:3,500万円)
|
項目 |
金額 |
|---|---|
|
建築費 |
2,800万円 |
|
解体費 |
400万円 |
|
測量費 |
80万円 |
|
登記費用 |
50万円 |
|
予備費 |
170万円 |
|
合計 |
3,500万円 |
融資条件(総借入:3,500万円)
- 返済期間:30年
- 金利:1.5%(元利均等)
- 毎月返済額:121,038円(ローン計算結果)
- 年間返済額:1,452,456円
年間収入
|
項目 |
金額 |
|---|---|
|
家賃収入(2戸) |
14万円 × 2× 12ヶ月=336万円 |
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駐車場収入 |
5,000円 × 2 × 12ヶ月=12万円 |
|
合計収入 |
348万円 |
経費
|
項目 |
金額 |
|---|---|
|
管理費(5%+消費税) |
348万円 × 5.5% =19.14万円 |
|
固定資産税・火災保険等 |
20万円(概算) |
|
修繕・維持費など |
30万円(概算) |
|
経費合計(管理費含む) |
69.14万円 |
年間手取り額(キャッシュフロー)
|
内容 |
金額 |
|---|---|
|
年間収入 |
348万円 |
|
年間返済額(ローン) |
▲145.25万円 |
|
年間経費(管理費・税・修繕) |
▲69.14万円 |
|
年間手取り額 |
約133.61万円(≒11.1万円/月) |
投資指標まとめ
|
指標 |
結果 |
|---|---|
|
表面利回り |
348万円 ÷ 3,500万円 ≒ 9.94% |
|
実質利回り(手取り) |
133.6万円 ÷ 3,500万円 ≒ 3.82% |
「空き家のままにした場合」と「テラスハウスを建てて家賃収入を得た場合」の10年間の経済比較を行います。
前提条件の整理
|
項目 |
内容 |
|---|---|
|
土地面積 |
約35坪(約115.7㎡) |
|
空き家時の費用 |
固定資産税・管理など:年間20万円程度 |
|
建替後の家賃収入 |
年間348万円(駐車場含む) |
|
建替後の経費+返済 |
年間214.4万円(返済+経費) |
|
手取り収入 |
約133.6万円/年(前提通り) |
10年間の比較シミュレーション
① 空き家のままにした場合
|
内容 |
金額 |
|---|---|
|
家賃収入 |
0円 |
|
維持コスト(10年) |
▲20万円 × 10年 = ▲200万円 |
|
経済損失合計 |
▲200万円 |
② 建て替えて賃貸経営した場合
|
内容 |
金額 |
|---|---|
|
家賃収入(10年分) |
348万円 × 10年 = 3,480万円 |
|
経費・返済合計(10年分) |
214.4万円 × 10年 = 2,144万円 |
|
手取り収入合計 |
約1,336万円 |
10年間の差額(収益比較)
|
比較項目 |
金額 |
|---|---|
|
空き家の場合 |
▲200万円(出費のみ) |
|
賃貸経営した場合 |
+1,336万円(手取り) |
|
差額 |
1,536万円の差 |
まとめ
- 空き家のままだと10年間で200万円のマイナス(経済損失)
- テラスハウスに建て替えれば、10年間で約1,336万円のプラス
- その差は実に約1,500万円以上の経済差
これはあくまで10年間の試算です。建物は30年以上使え、ローン返済後は手取り年間330万円近くに跳ね上がります。
つまり、賃貸にすることで「資産を守りながら収益を生む土地活用」が実現するということです。大輔さんは具体的にプランを提案してほしいとのことでしたので、実家を賃貸住宅に建て直すためにハウスメーカーに建築プランと建築費の見積もりを依頼し、具体的な数字を出しながら検討してもらうよう、準備中です。
曽根 惠子
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
相続実務士®
株式会社夢相続 代表取締役
◆相続対策専門士とは?◆
公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp)認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。
「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。
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