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不動産のプロたちの反応
集まった検討業者は30社。その反応はさまざまだった。
・「苦手」な担当者:部屋に入るなり、慌てて写真を数枚撮り、逃げるように帰っていく。
・「百戦錬磨」の担当者:まったく動じず、じっくりと物件を吟味する。
・「ストーリー探求型」の担当者: 故人の背景や経緯を細かく聞いてくる。筆者は物件調査を通じて最も情報を持っているはずだが、亡くなって数年経ってから関わる案件も多く、所有者の詳細な人生模様までは知り得ない。遺品や部屋の状況から、事実に基づいた推測を交えながら答えるしかない。
ひととおりの対応を終え、業者をエントランスまで送り、最後にお清めの塩を肩にかける。こんなことをする不動産業者は珍しいらしく、大半は喜んでくれた。ある若い女性担当者とその上司のコンビは印象的だった。上司は快く塩を受けてくれたが、女性は「やってもらったほうがいいですか?」と戸惑い気味。すかさず上司が「やってもらったほうがいい」とフォローしてくれ、筆者が変な人にならずに済んだ。
これだけの数の業者に声をかければ、好条件を引き出せる可能性は高まる。数が少ないと、業者の得手不得手や、買い叩かれるリスクも出てくる。「入札で勝たなければ買えない」というプレッシャーが、彼らの最大限を引き出すのだ。
そして、一社が飛び抜けて高い価格を提示した。その額、8,000万円超え。
事故物件が坪単価90%で売れた
事故物件扱いでありながら、その価格は「事故」を感じさせないものだった。通常の同マンションの成約坪単価と比較しても、なんと90%に達したのだ。
後日、その買い手業者から連絡があった。「販売に時間はかかってしまいましたが、キレイにリフォームして、無事利益を出して売却できましたよ」と。
不動産は「縁」と「再生」の物語
依頼する不動産業者によって、売却価格は大きく変わる。数多く当たらなければ、最良の条件は見えてこない。
特殊清掃で臭いを消し、廃墟同然だった部屋を新築のように蘇らせるリフォーム技術は、まさに「素晴らしい」の一言に尽きる。自己満足だが、こうして再生され、新たな住人に引き継がれていくことは、この部屋で亡くなった方も望んでくれるのではないだろうか。
室内で人が亡くなったから、廃墟のまま放置されることなど、誰にとってもいいはずがない。従来、自宅で人が亡くなることは自然なことだった。これが、病院で亡くなることが一般的になり、また、最近では自宅で亡くなりたいという方も増えていると聞く。
依頼する不動産業者によって、売却価格は大きく変わる。信頼できる不動産業者と出会い、その業者が動き、多くの購入検討者に当たらなければ、最良の条件はみえてこない。そして、単に価格の高い・安いだけで、その良し悪しを判断することもできない。特殊清掃で臭いを消し、廃墟同然だった部屋をまるで新築のように蘇らせるリフォーム技術は、まさに「素晴らしい」の一言に尽きる。
室内で人が亡くなったという理由だけで、廃墟のようなまま放置されたり、買い叩かれ、現況のまま転売されたりしてしまうような、利益だけを求める単なるマネーゲームは、社会にとってはメリットは生まない。なにより、亡くなった所有者が求めることではないと思う。
人は不動産のなかで暮らし、さまざまな出来事を経験しながら、そこに歴史を重ねていく。所有者が売却したり、賃貸に出したりすることで、住む人が変わり、不動産と人との出会いは何度も繰り返されていく。人にはそれぞれ、縁ある物件が存在する。
その縁を大切にし、そこで幸せな生活を送る人が一人でも増えること―― それこそが、この仕事のなによりの喜びだ。
柏原 健太郎
株式会社TBH不動産 代表取締役
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