今回は、「担保・保証人」を外して銀行融資を受け続けることは可能なのかを見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

財務内容がよければ、担保・保証人は外せる

銀行取引のことをお聞きすると、「なぜ? そうなのですか?」と感じることがしばしばあります。

 

■担保・保証人がなくならない不思議

財務内容がさほど悪くないのに、聞くと、担保も保証人も取られている、というケースにお目にかかります。ひどいときは、さらに保証協会の保証がついています。

 

「これ、外してもらうように交渉しました?」

と、お聞きします。

 

すると、

「え、そんなことできるんですか?」

「借入するには、そりゃあ必要じゃないですか?」

「前に言ってみたけどムリでしたよ」

などと言うお答えが返ってきます。

 

銀行は、こちらから何も言わなければ、当然のように、担保・保証人を要求してきます。要は、返済がされなくなった場合の押さえ、ですよね。押さえておけば、担保や保証人で補填できるのですから。保証協会にしても、入ってもらえば、返済されなくなったときに、保証協会に弁済してもらえます。銀行にしたら、これ以上安心できるものはありません。だから、要求してくるのです。

こちらが要求しない限り、銀行の条件は変わらない

しかし今や、銀行には現金があまり、貸出先に困っている状況です。日銀が資金供給量を2倍にすれば、ますます拍車がかかります。銀行は貸したくてしかたがないのです。どの銀行担当者も、融資を獲得したいのです。

 

借りる機会があるならば、

「担保と保証はナシでお願いできませんか?」

と要求してみてください。

 

「いやぁ、それはちょっと・・・」

などとなるなら、

「じゃあ、よそで検討しますので、ちょっと待ってください」

と言ってみてください。

 

交渉をしなければ、銀行は手順にしたがって融資条件を提示するだけです。銀行もひとつの業者です。どうせ借りるなら、少しでも良い条件で調達できるよう、アクションを起こしてみてください。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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