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“推し企業”を追いかけることで、点と点がつながる
推し投資をしていると、一見何気ないニュースのなかに、他の投資家が見落としている重要なヒントが隠されていることに気づくことがあります。
たとえば、私がスターバックス株を保有していたときのことです。ある日、何気なく目にしたニュース記事に「スターバックスのプリペイドカードやドリンクチケットの累計未使用残高が300億円を超えた」と書かれていました。
ご存じの方も多いと思いますが、スターバックスは店舗でのスピーディーな支払いを実現する、独自のプリペイドカードを発行しています。カードに事前にチャージしておけば、ドリンクやフードをスムーズかつ簡単に購入できるのが魅力です。
しかし、なかにはチャージした金額を使い切らずに、カードの存在自体を忘れてしまう顧客も一定数います。そうした顧客が使用しなかったチャージ残高は、スターバックス側に「預かり金」として積み上がっていくことになります。記事によると、その預かり金の総額が、なんと300億円を超えているというのです。
ちょうど同じころ、私はアメリカの会計ルールに関する別の記事を読み、「プリペイドカードなどにチャージされた資金は、一定期間が経過して使用されなかったぶんを、企業の利益として計上できるルールがある」という情報を得ました。
この瞬間、私の頭のなかで「スターバックスの未使用残高のニュース」と「アメリカの会計ルール」という、2つの異なる情報がピタリと結びついたのです。
そして私は次のような仮説を立てました。仮にスターバックスが未使用残高300億円のうち、年間20%を利益として計上できるのであれば、1年で60億円もの利益が会計上、“新たに”加算されることになります。キャッシュフロー(現金の出入り)自体は、チャージされた時点ですでに手元にあるお金なので変わりません。しかし決算書上は、未使用残高の一部が「利益」として計上されるのです。
そうなれば、スターバックスの決算の数字は大きく押し上げられることになるでしょう。そしてスターバックスは新規出店や特別な販促施策などを実施しなくとも毎年60億円ずつ、5年間で合計300億円もの莫大な利益を安定的に上乗せできる可能性がある、とにらんだのです。
いうまでもなく、企業の利益は株価に直結する重要な要素です。この未使用残高の利益計上は、スターバックスの株価を大きく押し上げる強力な要因になり得ると確信しました。このような発想に至ることができたのは、スターバックスが私にとって「推し企業」であり、実際に推し投資をしていたからにほかなりません。
逆に、いくらスターバックスのフラペチーノのカスタマイズに詳しい熱狂的なファンであっても、プリペイドカードなどの未使用残高とアメリカの会計ルールに関するニュースになかなかピンとはこないでしょう。ましてや、それらの情報からスターバックスの将来の利益を押し上げる可能性を考えることなどしないはずです。
「推し投資」は、ときにプロのアナリストですら見落としてしまうような、貴重な情報や洞察、そして他の投資家にはない「気づき」を得られる可能性を秘めています。「推し」への愛情とも呼べる深い関心は、投資で成功するための強力な武器となり得るのです。
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