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誰でもアクセス可能な情報から10倍・100倍株を見つける
私がアメリカに住んでいることもあり、「中島さんは現地の最新情報をリアルタイムで入手できますよね」と言われることがあります。
たしかに、アメリカに住んでいることで、現地の空気を肌で感じたり、実際に最新の製品やサービスをいち早く試したり、友人たちから口コミを聞けたりする機会は、日本に住んでいる方と比べれば多いかもしれません。
しかし、そうした情報は少し時間が経てばSNSやレビューサイト、個人のブログなどに体験談として投稿され、誰もが簡単にアクセスできるようになります。
また、現地メディアでは報じられているが、日本のメディアではまだ報じられていないような有益な情報があったとしても、いまやインターネットを通じて、リアルタイムで世界中どこからでも入手できます。つまり、「アメリカ在住だから、特別な情報にアクセスできる」というのは誤解です。
私がメルマガで企業分析を示す際も、その基になっている情報は誰もが入手可能な公開情報ばかりなのです。Podcastをはじめ、The Informationなどの記事、企業の公式ウェブサイトで公開されているプレスリリース、CEOのSNS、論文といった具合です。いわゆるインサイダー情報や非公開の特別ルートを使っているわけではありません。
ようは、私が実践している情報収集や企業分析、そして投資判断の手法は、日本にいても誰もが実践できるものなのです。例えば、CEOのインタビュー映像をYouTubeで検索してみる。海外メディアの記事に目を通してみる。企業のIR情報を確認する。企業のSNS公式アカウントをフォローする。
こうした地道な情報収集を愚直に、そして淡々と続けているだけでも10倍株、100倍株を見つけるきっかけはつかめるのです。
AIのアシスタント活用術(1)「まずは読ませて質問攻め」
情報収集をするときに私が活用しているのが「ChatGPT」などの生成AIです。生成AIの進化はすさまじく、「優秀なアシスタント」として大活躍してくれます。例えば、英語の記事も難解な論文も要点をスピーディーに整理してくれますし、「この部分だけ詳しく教えて」「この点をもう少し掘り下げて」などと具体的にたずねれば、詳細情報が提示されたり、新たな視点を与えてくれたりするのです。
すでに生成AIを使ってなにかの記事を要約してみた方は多いと思います。その際、よく使われるプロンプト(生成AIへの指示)は「この記事を要約して」と一言で指示する方法ではないでしょうか。もちろん、それでも大枠を理解するには役立ちますが、要約だけに頼ると「自分が本当に知りたかった核心が、要約から漏れていた」なんてことになりがちです。そこで私がおすすめしたいのは「まず生成AIに全文を読ませてから、何度も質問する」という方法です。
1.「この記事(論文)をまず全文読んで」と指示する
生成AIに「この記事(論文)の全文を読んで」と頼み、テキスト全体の内容をインプットさせます。生成AIがテキスト全体を把握している状態であれば、あとから聞く質問に対して、より的確な回答を期待できるからです。
2.要約を依頼する
まずは全体をざっくりつかむために「何が新しい点なのか?」「既存の方法との違いは?」といった大まかな要約を求めます。ここで得られるのは全体像やキーワードであって、まだ細部まで踏み込む段階ではありません。
3.疑問点を具体的に聞く
要約で把握した範囲から「この部分をもう少し詳しく知りたい」と感じたら、さらに生成AIに「競合技術との差は何か」「実用化を阻むボトルネックは何か」などと深掘りの質問を重ねます。
このとき生成AIは一度テキスト全体を読んでいるので、最初の要約には含まれなかった情報や観点についても参照しながら回答してくれます。
記事や論文が長文の場合、たとえ要約を見ても、自分が知りたい情報とはズレたものが出てくる可能性があります。そこを補うために「生成AIにまとめさせて終わり」ではなく、「生成AIに全文を読ませ、あえて自分が疑問に思う箇所や興味があるテーマをどんどん質問する」という方法を取るのです。
こうすることで、最初の要約だけでは拾いきれない細部の情報や、埋もれている視点までも引き出すことができます。結果的に「おもしろそうだと思っていたけど、実用化には大きな課題がある」とか「一見、実現は難しそうだけど、いまや別の技術で一気にブレイクスルーできる可能性がある」というように投資判断や、技術の本質的な理解に直結するポイントをより深く理解できるようになるのです。また、質問を繰り返すことでより多角的に理解できるようにもなります。
この「質問攻め」による深掘りこそが、生成AIを「優秀な情報収集アシスタント」として活用する、最も効果的な方法のひとつと言えるでしょう。
