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プロ投資家が描く、ポートフォリオの一例
「メタトレンドに乗る企業」とひと口に言っても玉石混交です。
例えば、AppleやNVIDIAのようにすでに巨大な利益を上げ、確固たる地位を築いている企業は、「比較的リスクの低い安定企業」です。時価総額も大きく、長期保有していても安心感が高いでしょう。
一方、EVメーカーのRivian(リヴィアン)のように、今後の爆発的な成長が期待されると同時に、現時点では赤字で「倒産リスクも抱える赤字企業」も混在しています。将来の大化けを期待できる反面、ハイリスクになります。
では、玉石混交のなかでどうリスクを取れば良いのでしょうか。
まず、第一に避けなければいけないのは「老後の生活資金がゼロ」になってしまうような致命的な事態です。年金や退職金など、老後の生活を支える大切なお金を投資に回す場合は、きわめて慎重なリスク管理が求められます。
「リスクをなるべく取りたくないが、メタトレンドには参加したい」という場合は、GAFAM(Google、Apple、Facebook※現Meta、Amazon、Microsoft)のような時価総額が大きく、キャッシュフローが安定している企業を選ぶのもいいでしょう。
もちろんこれらの企業の株価が今後、爆発的に上昇するチャンスは大きくありません。
それでもAppleやMetaならAR/VR、Googleなら自動運転、MicrosoftならAIというように今後も続くメタトレンドの流れに乗ることはできるでしょう。
一方で、例えば20代の独身の若者であれば、仮に投資したお金がゼロになったとしても「最悪、また働いて稼げばいい」と割り切れるかもしれません。
そうした、リスク許容度の高い人であれば、果敢にハイリスク・ハイリターン戦略が取れます。例えば、Rivianのようなメタトレンドに乗っている赤字経営のベンチャー企業10社に投資し、そのうちの1社でも株価が100倍になることを狙う。そんな大胆な選択肢もありでしょう。
ポートフォリオのうち大部分を「ローリスク」で押さえておき、一定の割合を「ハイリスク」に振り向けるのもひとつの方法です。大手企業への投資である程度の堅実性を確保しつつ、伸びしろのある未成熟な企業で冒険するイメージです。
例えば、Apple、NVIDIA、Meta、Microsoft、Amazonなどの「リスクが比較的低く、キャッシュフローが安定している大企業」を50%。TeslaやAMD、製薬会社のModerna(モデルナ)やBioNTech(ビオンテック)のように、すでに事業が軌道に乗っているが、株価の上下が激しく、まだ株価の上昇が期待できそうな「すでに黒字かつ成長性の高い企業」を30%。RivianやLucid(ルーシッド)など「ハイリスク・ハイリターンを狙う未成熟なベンチャー企業や赤字企業」を20%といった具合です。
あるいはEV業界のみに絞ってポートフォリオを組むなら、70%をTeslaに、残りの30%を将来の大化けに期待してRivianやLucidに投資するという配分も考えられるでしょう。
ここで述べた具体的な割合はあくまで一例です。しかし「頑丈な土台を用意しつつ、夢のある投資先にも資金を振り分ける」という戦略は、リスク許容度を調整するうえでひとつの指針になるでしょう。
リスク許容度はひとりひとり違います。年齢や家族構成、資産状況などによって、グラデーションのように変化するものです。自身のリスク許容度に合わせて投資配分を調整してみてください。
