愛の証「ハリー・ウィンストンの婚約指輪」が発端…結婚25年目、50歳夫婦が税務調査で「多額の追徴課税」に泣いたワケ【税理士が解説】

愛の証「ハリー・ウィンストンの婚約指輪」が発端…結婚25年目、50歳夫婦が税務調査で「多額の追徴課税」に泣いたワケ【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

夫婦間でお金や物のやり取りをする際、贈与税のことを気にしていない人も多くいるようです。しかし、車や指輪など高額なプレゼントをするときには夫婦間でも注意が必要です。本記事ではAさんの事例とともに、夫婦間での贈与における注意点について、木戸真智子税理士が解説します。※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

妻が選んだジュエリー

そうして、Bさんが選んだ候補は3つでした。800万円ほどの華やかな指輪、400万円ほどの普段使いもできそうな落ち着いたデザインの指輪、そして店員さんが薦めてくれた、その指輪と一緒に合わせられる200万円のネックレスです。

 

800万円の指輪はゴージャスで魅力的でしたが、日常的につけられるようなものではなく、子供の結婚式などの晴れ舞台でしかつける機会がなさそうだと思いました。それに比べると400万円のほうはデザインが控えめ。普段使いもできそうでファッションを選ばないと考え、Bさんはそちらを選びます。

 

Aさんはせっかくだから、ネックレスも一緒に買ったら?と提案してみました。Bさんは2つもプレゼントしてもらうのは申し訳ないから、と躊躇したのですが、店員さんの後押しもあり、両方をプレゼントすることに決まりました。

 

大奮発ですが、あのときの約束と記念日を祝えて本当によかったと満足のAさん。その後、サイズ変更や追加の支払いもあったので、繁忙期に差し掛かったAさんは来店することができず、やむなくAさんはBさんにお金を渡して追加分の支払いを済ませました。

 

いったいなぜ…税務調査で“婚約指輪”に追徴課税

それからしばらくして、Aさんに税務調査がやってくることになりました。会社を経営しているためその関係でのお金の流れの確認だろうと思い、税理士と相談して事業のほうの経理に関して万全の準備を施し当日に臨みました。

 

税務調査官は通帳をもとに確認していたところ、個人の通帳も見せてほしいといいます。AさんからBさんの口座への送金も確認の対象となっているそうなのです。そのなかには結婚25周年のときに購入した指輪の追加支払いの送金も含まれていました。

 

調査官が当時の状況を確認してきたため、Aさんが詳細に説明すると「これは贈与税の対象です」と告げられました。「どういうことなのか?」と驚愕するAさん。婚約指輪などはよくあることなのにどうしてそれに贈与税がかかるのか、まったく意味がわかりませんでした。

 

\11月29日(土)-30日(日)限定配信/

税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法

 

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